広報課の4分の1は民間出身
佐賀県では2016年、伝統工芸品の「有田焼」が創業400年を迎える。2013年度には東京に住む30代女性をターゲットとした県のイメージ向上プロジェクト「FACTORY SAGA」が始動したほか、県庁職員らが参加した「恋するフォーチュンクッキー 佐賀県庁Ver.」のダンス動画配信で話題を集めるなどニュースに事欠かない。
そんな県の機動力となっているのが、マーケティングの領域に精通した民間出身のスタッフらの存在だ。危機管理・広報課の久保緑氏もその一人で、東北新社やフロンテッジを経て2009年に県のUIターン制度により入庁した。
「県では2006年から、民間企業などでの職務経験を持つUIターン人材を採用しています。危機管理・広報課はUIターン採用者の配属が多い部門で、24人中私を含む6人が民間出身。このほか文化・スポーツ部や流通課などマーケティングの視点が必要とされる部門への配属が多いです。『FACTORYSAGA』を立ち上げた職員もアパレル業界出身で、この制度の1期生にあたります」と説明する。
久保氏は広告会社での経験を活かし、他部門からの広告出稿やメディアを活用した企画を立ち上げる際のアドバイスなど、県の重要施策の広報サポートに従事。部門の垣根を超えた連携が必要な仕事を任されている。「恋チュン」動画も、制作面をサポートする位置づけでプロジェクトに参加した。
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