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企業コミュニケーションの理想像

僕らは「何をすべきか」 時代の文脈に沿うビジョンを

駒崎弘樹(NPO法人フローレンス 代表)

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3月3日からは、訪問型病児保育の新プランとして、看護師が訪問看護をして手厚いケアを行い、慢性疾患のある子どもを預かる病児保育「発達支援プラン」も開始した。

企業とNPOの垣根は消える

大学在学中からITベンチャーを経営していた僕は、ある課題を身近に感じたのをきっかけに、病児保育専門のNPO法人フローレンスを立ち上げました。その課題とは、ベビーシッターをしていた母親から聞いた、「あるお客さんが、熱を出した子どもを看病するために会社を休んだ結果、解雇された」というエピソードが元になっています。僕に保育のノウハウはありませんでしたが、「何をすべきか」を考えると、無視できなかったのです。以来、今年で11年目になります。

「NPO」と聞くと、ちょっと遠い存在に感じられるかもしれませんが、僕は今後、企業とNPOの境はなくなっていくと考えています。

世界的な潮流として、いまNPOは一般企業と同様の経営スキルを導入しはじめています。どんなに自分たちが世の中にとって必要な活動だと信念を持っていたとしても、資金が安定しなければ持続的な課題解決は不可能です。つまりはNPOも「稼ぐ」ことが必要とされているのです。イギリスでは、株式システムを持つ非営利会社(コミュニティ・インタレスト・カンパニー)という企業体も登場しました。

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