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企業コミュニケーションの理想像

企業の「データ分析」に対する誤解とは?

河本薫(大阪ガス 情報通信部 ビジネスアナリシスセンター長)

「意思決定」のために分析する

――大阪ガスでは90年代後半から、ガス事業における需要予測のためのデータ分析に取り組まれています。河本さんは2001年から関わっていますが、そのご経験から、企業におけるデータ分析のあり方についてどのような意見を持っていますか。

企業のデータ分析において最も重要なのは、自社のビジネスの「意思決定」のための分析でなければならない、ということです。当社のビジネスアナリシスセンターの役割は個々の分析ソリューションをつくることですが、最終的に大阪ガスのビジネスに直接的な影響を与えているからこそ、存在意義があると考えています。

データ分析の専門組織を立ち上げてから十数年が経ち、大阪ガスの社内向けのデータ分析だけに留まらず、グループ会社向けに有償でデータ分析を提供したり、IT子会社であるオージス総研のデータ分析ビジネスを支援したりと、様々な取り組みが広がっていきました。

「ビジネスに役立つ」という出口

――現在のようにビッグデータが注目される以前からデータ分析に取り組んできた企業として、昨今のデータに対する意識の変化をどう見ますか。

社外の方とお話しさせていただくと、多くの企業でデータ活用のカルチャーが広がりつつあるのを実感しています。昨年、私は『会社を変える分析の力』という本を上梓したのですが、想像よりもはるかに多くの反響をいただきました。

ウェブビジネスに携わる方にも本の内容に共感いただけたのは、思いもしなかったので嬉しかったです。当社のようなエネルギー企業とウェブ企業では、データ分析の方向性は違うものと思っていたので。そういう意味では、業界や業態問わず、今抱えているデータ活用の課題は共通しているのかなと思います。

ただ、私たちも決して順風満帆にここまで来たわけではありません。失敗や苦労の積み重ねがあってこそ、ようやくここまで来ました。依頼元である営業などのビジネス組織においては、十数年前に私たちと一緒にデータ分析に取り組んだ担当者が、現在は部長やマネージャーなど相応のポジションに就くようになってきています。その結果、組織全体としてデータ分析への理解も深まってきたと思います。やっぱりデータ分析も、「継続は力なり」なんですよね。

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