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これからの広告とタレントの関係

石田純一さんインタビュー「タレントは神話から親和へ」

石田純一

広告においてもリアリティが求められる時代、広告に出演するタレントとブランドとの関係も変わりつつあります。そんな関係を考える連載第1回。60周年記念号の本号では、今年60歳を迎えた石田純一さんに登場いただきます。

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――石田さんが最初にCMに起用されたのはいつですか?

僕が35歳の時。ドラマ「抱きしめたい!」が放映された直後のことでした。NHKのアナウンサーで、この業界の厳しさもよくわかっていた父は、僕が俳優になることをずっと反対していたのですが、CMに起用された時、すごく喜んでくれて。NHKという組織の一員として仕事をしてきた父だからこそCMに起用されるとは、その企業の顔になることであり、それだけ責任のある仕事だと思っていたのではないでしょうか。

――普段、広告をどのように見ていますか。

人にものを買っていただくには心を動かす、つまりは感動をさせることが必要なわけで、僕は常々「営業とは芸術行為」だと思っています。広告も、まさに芸術行為。例えば「ウォークマン」も、商品の品質だけでなく「音楽を持ち歩く」というライフスタイルを提案したからこそ、世界的なヒットになったわけですよね。

心に残るCMキャッチフレーズもまた、心を動かしてくれますが、キャッチーな言葉と言えば、僕の場合、「不倫は文化」発言が有名です(笑)。実は、僕はこの発言をしてはいないんです。スポーツ紙の記者が僕の話した内容につけた見出しが、あの言葉で...。「世の中に金で買えないものなんて、あるわけがない」と言ったとされる堀江貴文君と話した際、見出しの言葉が一人歩きしていただけだ!と互いの境遇に共感し合いました(笑)。ただ、ここまで社会に流布する、キャッチーな見出しを付けた記者の方は、すごい!広告の場合、新聞の見出し以上に研ぎ澄まされた表現が必要とされるわけで実際、広告を作るクリエイティブの方たちには感服するだけですね。

もともとテレビというメディアは、タレントの素の部分をあぶりだすメディアでしたがネットが浸透し、タレントの「神話性」みたいなものは崩れ始めていると思います。でも、そもそも僕も「真正の二枚目」は演じたことがなく、カッコよさげなんだけど、情けないところがある男を演じることが多いですし、自分もそういう役が好きです。そこに人間の悲哀や、人生の素晴らしさが表れると思うからです。

――広告の世界でも、たとえば実際にその商品とタレントさんの素の部分、ライフスタイルも含めた親和性が求められる傾向にあります。

「神話」から「親和」へ。企業広告だけでなく個々の商品単位の広告が増えていくと、商品とそのタレント自身のライフスタイルも含めた親和性が必要とされるのだと思います。

――ライフスタイルで言えば、石田さんはイタリア通として有名ですね。

ライフスタイルで言えば、イタリアは大好きです。あと個人的に考えていることは日々、流れるニュースは悲惨な事件やニュースばかりなので「希望のジャーナリズム」を立ち上げたいという夢を持っています。僕は40年間、原子力発電に反対の立場なのですが「反対!」と言うだけでなく、例えばそこで日本が持つ自然エネルギーや省エネの技術を世界に発信する。そういうところで自分が企業の方たちのお役にも立てたらよいなと思っています。

――聞き手:イー・スピリット 足立茂樹氏

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