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広告メッセージを「記憶する」メカニズムを解き明かすには?

聖心女子大学 高橋雅延教授

<高橋先生のおすすめ書籍>
高橋教授のおすすめの書籍は『ビックリするほどよくわかる記憶のふしぎ―眠っているときに記憶が整理される?記憶力を高める技術とは?』(榎本 博明著)。「一般の人が手にとってもわかりやすい内容。人の記憶のメカニズムが解説されている」という。

目撃証言は不正確?

事件や事故を目撃する。その凄惨な経験は脳裏に焼き付き、後々まで記憶に残るのではないか...。しかし、聖心女子大学・文学部心理学科で人の記憶について研究をしてきた高橋雅延教授は「事件・事故の目撃者の記憶は不正確なケースが多い」と話す。

最近は目撃証言の研究の中でも自動車の記憶を調査している高橋教授。「自動車が事件や事故に関係することは多いが、実は自動車を"いつ"、"どこで"見たか、という点について目撃者の証言が不正確なことが多いことが分かっている」という。

目撃した対象物といつ、どこで、誰とといったシチュエーションが別々に記憶されるケースが多く、自動車の場合は目撃証言を誤ってしてしまうケースが多いのだ。

一方でポジティブな感情とともにした経験は、正確な記憶が残りやすい。こうした知見を活かして、吉田秀雄記念事業財団の助成を受け「広告に用いるポジティブ情動画像の記憶と評価に及ぼす効果」の研究にも取り組んだ。実際、ほのぼのとした楽しい映像とともに商品を見せると、正確に商品名を記憶している人が多く、広告のメッセージも心地よい感情とともに伝えることが効果的であることがわかった。

記憶に残るのはストーリー

心理学の中でも人の「記憶」を研究テーマにしてきた高橋教授だが、その対象は「記憶力」と、過去の記憶、いわゆる「思い出」の2つに分かれる。後者については、冒頭で紹介したような、人間の記憶におけるゆがみに及ぼす感情や集団の影響、いわゆる抑圧を含んだ忘却に関与する要因、目撃証言の問題点について実験的に研究している。一方で前者の記憶力については、円周率の暗唱で世界一を誇る原口證さんの協力も仰いだ研究も行ってきた。

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