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米国広告マーケティング事情

米国で「セルフィー(自撮り写真)」を使ったマーケティングが流行中

松本泰輔

新たなSNSやテクノロジーなど、米国企業が取り入れ始めている最先端のマーケティング実例をレポートします。

ジャスティン・ビーバーが、マイリー・サイラスが、自撮り写真(セルフィー)をソーシャルメディアで公開すると数十万回もシェアされる。オバマ大統領やローマ法王がセルフィーすれば、世界中のメディアが大騒ぎして報じる......。2013年、自撮り写真は一躍社会現象となり、「Selfie (セルフィー)」はオックスフォード・ディクショナリー「2013 Word Of the Year」に選ばれた。そしてマーケティング業界もシェアを稼げる、いま最もホットな手段としてセルフィーに注目し始めている。

温暖化防止を呼び掛けるキャンペーン――WWFカナダ

地球温暖化防止のため「ナショナル・セーター・デーには暖房の温度を下げて、セーターを着よう」と呼びかけたWWFカナダのキャンペーン

地球温暖化の影響で、カナダ近海ではホッキョクグマやクジラなどの生態系に変化が出るなど被害が深刻化している。そこでWWFカナダは「2月6日はNational Sweater Day。地球温暖化防止のため、暖房の温度を下げ、セーターを着て、セルフィーを撮り#sweaterdayのハッシュタグをつけてソーシャルメディアに投稿しよう」と呼びかけた。

冬の寒さの厳しい北米では、暖房機器の設定温度を高くし、家全体を暖め、屋内で薄着をして過ごす人が多い。「当たり前のように温度を高く設定する習慣を見つめなおしてもらう」ことが目的で、当日は個人だけでなく、エコ支援団体なども積極的にセルフィー写真を投稿し、ソーシャルメディアを賑わせた。

元ウェイトレスの写真コンテスト――フーターズ

「オープン30周年記念キャンペーン」にOGウエイトレス30万人に声をかけ「昔のコスチュームで来店しセルフィーをソーシャルメディアに投稿して」と呼びかけたフーターズ。

セクシー・コスチュームを着たウェイトレスで有名なレストラン・チェーン「フーターズ」は昨年10月4日、30周年を記念して「元ウェイトレス写真コンテスト」を開催した。かつて同レストランでウェイトレスとして働いていた30万人に「10月4日、昔のコスチュームでフーターズに来て、セルフィーをソーシャルメディアに投稿して」と呼びかけた。事前告知としてカレッジフットボールの全米中継や全米各地のローカルテレビにCMを流し来店を促進した。当日はマーチャンダイズ商品やメニューが30%オフになるほか「チキンウィング1年間無料食べ放題」が西海岸と東海岸の店でそれぞれ1名ずつに当たる抽選会も開催。キャンペーン開始前に比べ、約3万人ものインスタグラム新規フォロワーを獲得した。同チェーンCEOのデイブ・ヘニンガー氏は「当店はフェイスブックやツイッターを積極的に活用しており、今後もデジタルマーケティングに尽力していく」と9月28日付の「アドウィーク」誌に述べた。

「真の美しさ」を再発見――ユニリーバ「ダヴ」

10年間「リアル・ビューティ・キャンペーン」を継続してきたボディケア製品「ダヴ」は、短編映画「Selfie」で「真の美しさとは何か」を女子高校生に問う。セルフィーを友人に見てもらい、温かいコメントをもらううちに「美しさ」に対する定義が変わっていく、というドキュメンタリー。

10年継続してきた「リアル・ビューティ」キャンペーンの一環として、ボディケア製品「ダヴ」は「Selfie」というタイトルの短編映画を撮影し「サンダンス・フィルム・フェスティバル」に出展した。プロの女性カメラマンがマサチューセッツ州の小さな町の女子高生たちに「お母さんといっしょにセルフィーを撮り『美しさとは何か?』をもう一度考えてほしい」と依頼した。当初、高校生たちは「自分の容姿」に対して悲観的だったが、自分のセルフィーを見て書き込んでくれたクラスメートの温かいコメントを見て、しだいに自信を取り戻していき、やがて「美」に対する定義を改めていく。10年にわたって「真の美しさとは」というテーマのキャンペーンを構築する「ダヴ」が、いま現在身近なツールとなったセルフィーを通して女性に訴えかける。

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