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価格の心理学

「夢のおせち」に十数万超の応募、新生「グルーポン」が目指すもの

寺田裕一(グルーポン・ジャパン マーケティング本部 本部長)

「おせち騒動」から丸3年が経ち、昨年8月に新トップが就任したグルーポン・ジャパン。現在は「魅力的な価格」と「付加価値の高い体験」を掲げ、独自の強みを打ち出している。

体験価値を重視したディールの例。「『キャプテン翼』作者・高橋先生が率いる芸能人チームや元日本代表・福西氏とフットサル対決しよう」では、870件超のエントリーがあった。当選したチームは3万円で参加。

淘汰進んだクーポンビジネス

48カ国で展開するグルーポンが日本市場に参入したのは、2010年のこと。同時期に割引クーポンを販売するビジネスモデルが盛り上がりを見せ、2010年8月時点で約200社が参入していたが、現在も事業として継続している企業は約十数社に留まっている。

多くのサービスが淘汰される中、グルーポンはリクルートが運営する「ポンパレ」とともにトップシェアを占める。「ディール*」と呼ばれる個別の取引のジャンルは幅広く、グルメ・美容・マッサージのほか、旅館やホテルなどのトラベル、家電や生活用品に至るまで、あらゆる商品を割引価格で販売している。扱うディールの価格帯も幅広く、下は100円から、上は数十万円の歯科矯正など高額なディールも取り扱ってきた。

一方でグルーポンといえば、2011年1月に発生した「おせち騒動」を鮮明に記憶している人も多いだろう。「グルーポンで注文したおせちが正月に届かない」「届いた商品が見本と異なる」といった事実が発覚し、批判が集中した。

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