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変革する広告業

デルフィスが重視する「はみデル」発想とは?

デルフィス 中井昌幸・代表取締役社長

─広告業界を取り巻く環境をどう見ているか?

様々な変化が起きているが、大きくは「デジタル化」、「グローバル化」、「国内外の業界再編」の3点に集約されると考えている。こうした業界全体の変化への対応はもちろん、トヨタ自動車のハウスエージェンシーである当社では、クライアントの事業の変革への対応もより強く求められる。

トヨタ自動車にグループのダイハツ工業、日野自動車を加えた3社の自動車販売台数のうち、国内が占めるのは2割強で当社もそれに合わせて、グローバル対応を強化。他社とのジョイントベンチャーも含め、中国、シンガポール、タイ、インドネシア、台湾に拠点を設けている。現在、本体の社員数が約430名なのに対し、海外事業体の社員は約270名に達する。会社全体の収益に貢献するまで成長するには、まだ時間が必要と思っているが、経済が成長し自動車市場も拡大するポテンシャルのあるエリアであり、未来に向けて今後も投資を継続する必要があると考えている。

─今後、注力していく領域は何か。

ハウスエージェンシーであることで経営の安定はあるものの、競合プレゼンで他社とも戦うし、また効果や効率に対してシビアなトヨタグループの仕事を通じ、社員も学び、スキルを磨いていると思う。また当社には、自動車マーケティングのプロフェッショナルが揃っていると自負しているが、そこに甘んじることなく現在の環境に合わせ、「クルマ」×「生活者」×「デジタル」で広がる新しいコミュニケーションの可能性を模索していくつもりだ。

当社ではトヨタというビッグステージで仕事ができることに加え、相互出向などの形でクライアントと一体となって業務に取り組める点が魅力の一つだが、一方でクライアント社内では出てこないようなアイデアを提供できる人材が必要だと考えている。昨年から「はみデル」採用をコンセプトに、エントリーシートや筆記、面接試験を不要とし、企画書とプレゼンテーションで審査をするコースを新設した。既存の枠から「はみデル」ような発想ができる社員の存在が、広告会社の強み。採用他、社員教育でも人を大事にし、若手から有志を募り海外研修も行っている。個性を尊重する経営方針を様々な形で具体化していくつもりだ。

またITリテラシーは今後の広告会社にとって生命線となるもので、スキルのある人材の採用他、社員全員のリテラシー向上が必要だと思っている。一昨年には全社員にタブレット端末を配布。以来、役員会もペーパーレスで行うなど、業務の中に取り入れながら、全社員の意識を高めていきたいと考えている。

編集部の視点

全社員に配布のタブレット端末も中井社長自ら率先して使い、今年始まった全社員登場予定の「社員ブログ」にも中井社長は登場の予定。掛け声だけでなく、トップ自ら実践する姿勢が激変する環境に合わせて求められる社員の意識変革の起爆剤になっている。

デルフィス 代表取締役社長 中井昌幸(なかい・まさゆき)氏

1975年4月トヨタ自動車販売(現・トヨタ自動車)入社。2003年6月トヨタ自動車・広報部長、2005年6月トヨタ自動車・常務役員を経て、2010年6月より現職。

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