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ネット時代に活きる、ダイレクトマーケティング

東洋大学 長島広太教授

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<長島先生のおすすめ書籍>
長島教授のお薦めの書籍は『ワンダーマンの「売る広告」』(翔泳社刊)。「2006年発行の古い書籍だが、今のインターネットマーケティングにつながるダイレクト・マーケティングの基本をつくり上げた人物の話であり、ネット通販などに関する技術的なことのルーツを知る意味でヒントになることが多い」。

「通販を始めとしたダイレクト・マーケティングで蓄積された知見はネット登場以降、変わったと言われる現代のマーケティングに通用することがあるのではないか」。そう話すのは、東洋大学・経営学部の長島広太教授だ。さらに「例えばバナー広告やランディングページは自動的にA/Bテストを行い、より効果の高いものが採用される仕組みが導入されている。これも、顧客に対して異なるスタイルのダイレクトメールを発送し、より反応が良いものを選び出すという従来からあるダイレクト・マーケティングの手法を踏襲していると言える」と続ける。

最近では楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonなどのモール型の大型ECストアのロイヤルティに関心を持ち、研究を行っている。もともと長年にわたり通販、そしてショッピングモールをはじめとした集積型の商業施設について研究していたことから、両者が重なるネット上の集積型店舗に関心を寄せるようになったという。

「研究を通じ、ネットの登場以降、マーケティングはどう変わり、私たちの消費行動、生活の何が変わるのか?ネット登場以前の概念の中で、これからも通用するもの、しないものは何かを見極めたい」と長島教授。

ネット通販の市場は国内でも拡大しているが、リアル店舗と異なり距離という制約がなく、ロイヤルティが醸成しづらいという課題がある。では、そのロイヤルティがどのように生まれるのか、それを解き明かそうとしたのが2012年に行った「電子モール・ロイヤルティの研究」だ。具体的には、ECモールに対するロイヤルティと各個店、ストアに対するロイヤルティを分け、両者の間にどのような関係があるのかを調査した。

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