オウンドメディアの重要性が認識され、そこに掲載されるコンテンツの質にこだわる企業が増えている。一方で、熱狂的なファン層とのコミュニケーションの場から、さらにその先。新規ユーザーとの接点づくりに課題を感じ始めた企業の声も聞こえてくる。そんな課題に対し、世界のグローバル企業はどのように対応しているのか。
P&Gなど米大手広告主も導入
独自のアルゴリズムに基づく、コンテンツレコメンドエンジンにより、トラフィックの獲得を望むメディア企業やオウンドメディアへの集客を望む企業と読者を結ぶコンテンツ回遊プラットフォームを提供する米国Outbrain社が、2013年11月に日本法人を設立。来日した、同社APAC&EEMEA担当のマネージングディレクターであるEytan Galai氏、アウトブレイン ジャパン社長、嶋瀬宏氏に世界のコンテンツ・マーケティングの潮流、またOutbrainの日本における戦略について話を聞いた。
──Outbrainのビジネスモデルとは。
当社が独自に開発したレコメンドエンジンを無料でメディア企業に提供。メディアに埋め込まれた外部リンクから外部サイトへのトラフィックが発生した場合に、トラフィックを購入した企業からの売上をメディアに対し、配分する仕組みをとっており、すでに世界10万サイト以上で導入され、月間のリコメンド数は1千億回超。米国内では、オンラインユーザーの87%にリーチできるネットワークを構築している。本社は米・ニューヨーク、開発拠点がイスラエルにあるほか現在、日本を含め世界に14の拠点を設けている。
──記事リコメンドの仕組みとは。
当社のリコメンドエンジンを搭載すると、サイト下部にリコメンド記事が掲出される。リンクが掲載される、記事直下のスペースはこれまで広告枠としては注目されていなかった場所。ユーザーが興味を持つであろう記事が配信される。回遊率、さらにPVを高めるための同メディア内の他記事へのリンクと、外部メディアへのリンクの2つで構成される。後者のリンクがメディア企業にとっては新たな収入源になるもので、我々のネットワークからトラフィックを購入したいと考えるクライアント企業に活用され、その売り上げをメディア企業とレベニューシェアする仕組みになっている。