テレビCMから企業名、想起できますか?国内の宣伝費上位企業39社を対象に、過去半年間に流れたテレビCMの想起率、およびそのCMから企業名想起できたサンプル数を1カ月ごとにリサーチ。これにより企業ブランドの想起率を算出。さらに、特に注目したい1社の半年間の平均値の推移を検証します。
国民的アイドル起用で、女性の支持集める
キリンビバレッジ「キリンメッツコーラ」「まもなく3億本メッツ!」篇ほか

今回はCM想起数が前月27件から、当月121件にアップし、2012年5月以来の100件突破となったキリンビバレッジを取り上げます。想起数アップの要因となったCMは、コーラでは史上初の特定保健用食品(特保)として話題を呼んだ「キリンメッツコーラ」。累計3億本突破を前に、CM内容が変更されました。新CMには、大野智さんと相葉雅紀さんの2人を起用。13年12月上旬に、「まもなく3億本 メッツ!」篇、「まもなく3億本 飲む!」篇が相次いでオンエアされました。白バックに白シャツの衣装というシンプルなクリエイティブに、2人が漫才のようなテンポの良い掛け合いで"3億本突破"をアピールしています。
想起者の属性を見ると男性17%・女性83%で女性の割合が圧倒的に高く、特に10~40代の女性で高い支持を集めています。「自分がよく飲んでいる商品なので、こんなに売れたのだとびっくりした」(男性40代)、「マイペースな2人が比較的早口で掛け合いをしていて印象に残った」(女性30代)、「コーラの宣伝だけど、シンプル。大人気の2人だから、そのシンプルさで充分かも」(女性30代)、「商品と出演者の組み合わせが意外にも思えたが、掛け合いが楽しくて印象的」(女性40代)、「国民的アイドルが宣伝することで、特保のコーラがより身近なものになった印象を与えるCM」(女性50代)――このように3億本突破や2人の掛け合いについて触れた感想が目立ちました。
国民的アイドルの2人を起用することで、近年、新規参入が活発化している特保飲料の中で、女性を中心とした新たなターゲット層の拡大を図っていくと思われます。

※コミュニケーションデータシステム(CDS)が行う、1週間単位で記憶・印象に残っているCM調査(関東130万人のモニターから毎週1200人を抽出)から分析。
