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ベルギーで開発された「墓場で老婆を歩かせる」ゲームアプリ

The Graveyard

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有料版と無料版の内容はほぼ同じ。有料版の特典は「老婆が死ぬタイミングにランダム性が与えられている」ということ。唯一のゲーム的表現とも言える。

The Graveyard
Tale of Tales

ベルギーのゲーム開発スタジオTale of Talesによる異色作として知られる。杖をついてヨタヨタと歩く老婆を操作して墓地の中を歩かせ、ベンチに座らせたり、流れてくる歌を聴いたりとシンプルな内容となっている。

リリース日
2008年3月21日(PC版)

対応デバイス
iOS3.0以降(iPhone、iPad、iPod touch対応)/Android2.0.1以上/Mac OSX minimum:Intel or PPC processor、with Radeon or GeForce video card(G5、iMac、Mac Pro、MacBook Pro)、keyboard or joystick./Windows PC、XP、Vista、Windows7 with Radeon or GeForce video card(no integrated graphics)、keyboard or joystick.

国内のスマートフォン向けゲーム市場はソーシャルゲームで溢れ、人気ランキングでも、同一タイトルが長くランクインしています。しかし海外では、独創的なゲームがランキングを賑わしています。

今回紹介するのは、海外事例の中でも特に印象的だった「The Graveyard」というゲーム。本連載でゲームを扱うのはイレギュラーだと思いますが、企業でも、キャンペーンなどでゲームアプリを制作する機会もあるでしょうから、参考になる点は多いはずです。

さてこのゲーム、簡単に言えば、「墓場で老婆を歩かせる」というもの。歩くだけで難儀する操作性。迷うはずもない一本道をただ歩き、道の先に佇む教会脇にあるベンチに腰掛け...。何の説明もなく始まり、数分間ですべてを体験することができるこのゲームは、「これは何だったのか」ともう一度確かめたくなるような魅力を秘めています。心のどこかに小さな穴がぼっと空き、そこからじわっとインクが滲みていくかような感覚があります(プレイ時はヘッドホンが必須)。このゲームは、以前PC向けにリリースされ、問題作として話題になりました。ゲーム性として挙げられるリスク/リターンもなければ、満足感・達成感を与えるようなこともない。しかし、このゲームはアートではなく、ゲームというコンテクストの中にあり、「インディペンデント・ゲーム・フェスティバル」でノミネートもされています。

アプリを含め、インタラクティブメディアの歴史は始まったばかり。私も含めユーザーの経験値はまだまだ浅いのが現状です。遠くない未来、想像だにしないようなあり方が許容され、今当たり前のものが消えていくのかもしれません。

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qubibi アートディレクター/インタラクティブデザイナー
勅使河原一雅氏(てしがわら・かずまさ)

2006年、WEBサイトやゲームなどインタラクティブメディア上での作品制作 を目的としたプロジェクトとしてqubibiを立ち上げる。D&ADやカンヌ広告祭、メディア芸術祭など国 内外にて多数受賞。

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