郷に入れば郷に従え。アジア市場では自分たちの価値基準を捨て、その地域の指標で自らの商品・コミュニケーションを見つめる必要がある。アジアマーケット攻略のヒントを毎月1国、その国に精通した専門家が解説。全3回のレポートで紹介する。
小学校などのリアルなコミュニティの場を活用したコミュニケーションにも注目。
今回はASEANの中で、最近特に活気あふれるインドネシアでのマーケティング・PR戦略にフォーカスしてみよう。インドネシアはイスラム国で、国民の87%がムスリム。金曜日の昼、男性は皆お祈りのためモスクへ赴く。さらに「土日は家族と過ごす」のがあたりまえの文化。PR目的でメディア等を招待する催しは、金・土・日は避けるのが基本だ。さらにラマダン等、現地歳時記を含めたイスラム教への配慮は必須である。
また社会環境の特徴として感じるのが、エンタテインメントが少ないということ。イスラム教の影響で、酒場やギャンブルが規制されている点も大きいようで、それゆえオフラインのイベント施策が波及しやすい。エンタテインメント性を加味した参加型のキャンペーンには、こと反響が大きい。
加えて、親日の視点を考慮するのも効果的だ。韓国企業は広告クリエイティブに「富士山」や「サクラ」を活用する。言うまでもなく、日本のブランドイメージを借りたブランディングを図っているのだ。差別化のポイントとしての「エンタメ」と「日本」。これがプランニングのスタート地点となる。
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