第1回マーケティングサロン
講師の津端裕氏を囲んで。
座談会形式の研究会
日本マーケティング学会が正式に発足して丸一年。研究大会の第2回「マーケティングカンファレンス2013」は昨年11月10日、早稲田大学を舞台に盛会のうちに終わった。オーラルセッションやポスターセッションが新設され、それぞれについて新たに一層の研究奨励のための賞が設けられるなど、新しい試みを導入した。
研究促進の体制も整ってきた。学会の研究の中心と位置付けているリサーチプロジェクトは毎月、複数の研究報告会が開かれている。さらに、ジャーナルの電子化も進み、最新号をいち早く会員に配信できるようになったほか、過去のバックナンバーをオンラインで閲覧できるようにするなど、会員の満足を常に高められるよう継続的な改善を進めている。
学会の発起人と評議員、役員、理事の献身的なサポートもあり、会員数は1500人を超え、質量ともに充実した学会活動を展開する準備は整ってきた。会員をはじめ多くの人の意見を聞きながら、学会における交流活動と研究活動の充実を図っていきたい。
さて、学会の活動で最も学会員に人気のあるものといえば「マーケティングサロン」であろう。学会員同士が仕事の終わった後に集まり、ゲスト講師を招いてひとつのテーマについて、お酒と軽食をとりながら、じっくりと語り合う座談会形式の研究会である。これまで東京と大阪でほぼ月に1回のペースで合計14回開催した。扱うテーマは別表の通り幅広く、また募集人数も少人数に限定しているため、毎回募集をはじめてからあっという間に定員に達してしまう状態が続いている。
第1回目が開催されたのは昨年1月23日。アキレス㈱の津端裕氏をゲスト講師に迎えて、『「瞬足」ブランドはなぜ強いブランドに育ったのか?』をテーマに、ブランド開発とマーケティング戦略の遂行の実例を紹介してもらった。具体的なケースを紹介する講演と、さまざまな会社のマーケターが議論を交わし合う質疑応答は、マーケティングを日頃より深く考え、実践している学会員にとって刺激に満ちた研究会であったとの評価を頂いている。
文/日本マーケティング学会事務局
これまでのテーマと講師 | |
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回数・テーマ | 講師名 |
第1回 ブランドをじっくり語る津端裕 |
津端裕/アキレス㈱シューズ事業企画本部・副本部長 |
第2回 従業員満足→顧客満足は本当か? |
牧口松二/㈱博報堂コンサルティング 執行役員 |
第3回 リ・ブランディング ~トヨタReBORNを事例に~ |
土橋代幸/(株)トヨタマーケティングジャパン プロデュース局 クリエイティブ室 室長 |
第4回 戦略とは何かを話しましょう |
中田康雄/(株)中田康雄事務所 代表取締役(元・カルビー代表取締役社長) |
第5回 “Choi Labo” in KANSAI |
石井淳蔵/流通科学大学学長 日本マーケティング学会会長 |
第6回 ああ、外資が来た ~外資系マーケターの本音と生き様~ |
音部大輔/ ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング(株)取締役副社長 |
第7回 プレイスメイキング!行くべき理由を創る! ~「グランフロント大阪」が挑戦する ソーシャルコミュニティ・マーケティング |
船橋俊一/(株)大林組 大阪本店 大阪都心再生室 副部長 |
第8回 高収益のしくみについて。 顧客志向と高効率のビジネスモデル ~セールスフォース・ドットコムの例~ |
榎隆司/セールスフォース・ドットコム 執行役員 プロダクトマーケティング |
第9回 月に行ったトランク 『ゼロハリバートン』の出世魚戦略 ~海外老舗ブランドの買収とブランドの再構築 |
加来剛/エース(株)常務取締役・MD本部長 |
第10回 “地域の誇り”として生きる ~リーガロイヤルホテルの地域ブランド化戦略 |
荻田勝紀/(株)ロイヤルホテル 経営企画部 部長 |
第11回 LCCが変える日本の空 ~Low-Cost-Carrier2年目の挑戦~ |
藤岡秀多/ジェットスター・ジャパン(株)取締役常務執行役員 |
第12回 日本発プレミアムブランドのつくりかた ~アウトドアブランド・スノーピークの 作り方、伝え方~ |
山井太/(株)スノーピーク 代表取締役社長 |
第13回 ビッグデータ時代のマーケティング戦略 |
及川直彦/アプライド・プレディクティブ・テクノロジーズ シニアバイスプレジデント(日本代表) |
第14回 レクサスの新たなブランド確立への挑戦 ~Progressive Luxuryを目指して~ |
高田敦史/Lexus International レクサスブランドマネジメント部 部長 |