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米ユニリーバ「Dove」の動画、視聴回数で2013年の1位に輝く

織田浩一

ニュースのポイント:欧米では「テクノロジースタック」という言い方をしているが、いくつものテクノロジーがマーケティングにも必要になり、それを統合したテクノロジースタックを構築することも重要な業務で、ここにエージェンシー、コンサルティング会社が参入。オラクル、セールスフォース、IBMなどが導入を用意するためにテクノロジースタックづくりの買収を続けているのが現状だ。


Dove Real Beauty Sketches

『Dove』の動画
視聴回数で2013年の1位に輝く

「Ad Age」が1年間のオンラインビデオ・キャンペーンの視聴回数を評価するランキングで、ユニリーバ「Dove」の『Real Beauty Sketches(真の美スケッチ)』プロモーションビデオが視聴回数1億3489万9405回で、2013年の1位に輝いた。

4月に公開されたこのビデオは女性の自己イメージをテーマに、Ogilvy & Mather Brazilが企画を担当。FBIのモンタージュ画家が対象の女性が自身について語る描写、または同席する第三者の描写をもとに似顔絵を描き、女性本人の説明をもとにした絵では、悩みやコンプレックスのある部分が浮き彫りになることを示す内容だ。カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでチタニウム部門のグランプリを受賞している。

ランキングには、Visible Measuresが各キャペーンに関連するすべてのオンラインビデオを総合して集計した数値を使用。2位はGoogleの『Chrome:For...』キャンペーンだった。

■ソース:「アドエイジ」12月10日
Unilever's 'Dove Real Beauty Sketches' is the Viral Campaign of the Year

オラクルがResponsysを買収し
サービス拡大に動く

オラクルが、デジタルマーケティング会社「Responsys」を15億ドルで買収した。これによりオラクルはEメール、ソーシャル、モバイル、ディスプレイ、CRM関連のテクノロジーを確保。マーケティング総合部門「Oracle Marketing Cloud」を強化する。アドビやIBMなど技術会社がマーケティング分野に参入し、企業向け総合サービスの提供を始める近年の傾向の中で、自社のポジションを拡大する狙い。目標は幅広いツール群を取り揃えたマーケティングクラウドにより、セールスからサービス、マーケティングまで企業全体のプロセスを支えるソリューションプロバイダーになること。企業の内部で各プロセスが密接に統合されることで、他のプロバイダーへの移行が難しくなり、長期的な関係を得られる可能性がある。買収は、今後も続くと見られるが、システムのアーキテクチャが異なる場合など、テクノロジーの統合がしばしば困難なことも大きな課題だ。

■ソース:「アドエイジ」12月20日
Oracle Buys Responsys in Direct Attack on Salesforce

フェイスブックがついに開始
ビデオ広告サービス

フェイスブックはLions Gate配給の新作映画『Divergent』のプロモーションを皮切りに、ビデオ広告の配信を開始した。1年以上前からビデオニュースフィード広告への参入を予告しており、昨秋には何度かローンチを予定しながら、ユーザーへのインパクトをさらに調査するとし、断念していた。『Divergent』のキャンペーンについても、フェイスブック側は「試行」と語っているが、テレビCMに代わるメディアとして売り込みが可能か反応を見ることが目的のようだ。

『Divergent』の広告は約30秒の予告映像で、映画の宣伝には適している。他のマーケターも同様に短時間のストーリー性のある広告を配信できるようになる。ビデオはニュースフィードで自動的に再生されるが、音声はユーザーが広告をクリックするまで流れない。また、モバイルではWi-Fiネットワークに接続した際にアプリがビデオ広告をダウンロードするため、データプランに影響しない仕様になっている。

■ソース:「アドエイジ」12月17日
Facebook Launches Video Ads With Movie Promo For 'Divergent'

前年比2倍増の96億ドル
モバイル広告の市場が急拡大

eMarketerが発表したレポートによると、2013年のモバイル広告支出は、前年比で2倍増の96億ドルに達し、2014年にはさらに50億ドル増となる見込みだ。また2013年度のデジタル広告分野の収益成長は、ほぼモバイルによるものだろうと予測している。

一方、デスクトップ広告の予想支出額成長率はわずか1.7%、デジタル広告全体では15.7%で、モバイルが主力となって市場をリードしていることがわかる。モバイル広告の飛躍の理由としては、一つがモバイルの使用がPCやノートパソコンを凌駕し始めたこと。もう一つが、インフラの進化によりモバイル向けサイトやアプリが洗練され、マーケターの投資が盛んになっていることがあげられる。

マルチデバイス対応で後れを取っている従来型メディアにとっては厳しい傾向だが、モバイルのさらなる拡大に伴い対応が進めば、いずれはどのパブリッシャーにとってもモバイル広告は大きな利益源となるだろう。

■ソース:「アドエイジ」12月16日
Mobile-Ad Revenue Explodes, Finally

ユニリーバが予算スリム化
マーケティング費470万ドルを節減

ユニリーバが12月にロンドンで開催した投資家向けセミナーでは、予算削減が主な議題に。同社はマーケターを世界的に12%減らすとし、米国などの地域的なサービスを中心に、約800人を切る予定だ。また2014年末までに在庫保管単位(SKU)と同社製品のバリエーションを30%カットし、代理店のフィーやCM制作費を節減していくと同社役員が語った。

CFOのJean-Marc Huet氏は、2012年のマーケティング費用節減額が260万ドルであったのに対し、2013年は470万ドルにのぼる見込みと語った。その理由として、代理店のフィーや制作費を含めた「Non-working media」費用を小規模にとどめることを挙げている。これにより、同社の広告支出でNon-working mediaが占める割合は、2013年は20%になると予測されている。現在、同社広告の5%がデジタルによるものだがデジタル広告への移行により、さらに費用節減が進むと見ている。

■ソース:「アドウィーク」12月5日
Unilever Plans To Cut 800 Marketers As It Slashes Agency Fees, Products

バーガーキングがビッグマックで
ファンのロイヤリティ問う

ノルウェーにあるバーガーキングが、積年のライバルであるマクドナルドの商品である「ビッグマック」を消費者に配るキャンペーンを行った。フェイスブックを通じてフォロワーに対し、ビッグマックのプレゼントを呼びかけ、ロイヤリティを問うという試みだ。

同社は3万8000人のフェイスブックフォロワーを有していたが、全員が「真のファン」ではなく、迷惑なコメントを書き込むだけの人もいるとし、エージェンシーのDIST Creativeが、真のファンを見分けるこのアイデアを打ち出した。同社はロイヤリティの高い消費者のために新しいフェイスブックページを開設し、ビッグマックの無料クーポンを受け取るフォロワーは、新しいフェイスブックページをフォローしないことに同意しなければならない仕組みとした。

結果として同社は3万人のフォロワーを失ったが、新設ページのフォロワー8000人とは、以前より親密でインタラクティブな関係を築いているという。

■ソース:「アドエイジ」12月2日
Burger King Tests Fan Loyalty by Giving Away Big Macs

織田浩一氏(おりた・こういち)

デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービスを日本大手広告会社、WEB制作会社、総研などに提供。広告・メディア業界におけるR&D業務のサポートを行っている。オンライン、オフライン広告の近未来に関するブログ、メルマガを下記のアドレスにて公開している。http://www.adinnovator.com

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