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「おんせん県」騒動に終止符。大分県、「おんせん県おおいた」で商標登録までの歩み

大分県

9月6日、福岡エリアでのPRキャンペーン開始にあたり、福岡県庁で記者会見を行った大分県の広瀬勝貞知事。

    大分県

  • 人口:119.7万人
  • 面積:6339㎢
  • イベント:湯布院映画祭、竹あかり、雛祭り、牛喰い絶叫大会、修正鬼会、日田祇園祭
  • 名所・名物:宇佐神宮、臼杵石仏、別府の地獄、由布院など温泉、かぼす、関あじ・関さば、から揚げ、とり天

約150社が「おんせん県」活用

大分県は9月から10月にかけ、福岡エリアおよび関西エリアでそれぞれ約3週間、メディア露出により県全体の認知度を高めるキャンペーン「メディアおおいたウィーク」を開催した。県の企画振興部広報広聴課、塩月美香氏はその成果について、「約5500万円の事業費用に対し、PRによる広告換算費は約8倍の4億7603万円に達した」と説明する。

テレビや新聞、WEBメディアを活用したほか、各地でイベントを開催しており、そのプロモーションの核となったのは昨年制定した観光促進のためのキャッチフレーズ「おんせん県おおいた」である。

県では2012年8月に、市町村、地域観光協会、旅館ホテル組合、観光事業者、NPO法人などの協力も得て、「大分県ツーリズム戦略」を策定。具体的には、食や文化など「地域の観光素材磨き」や、女性やアクティブシニア、海外観光客などの誘客強化などとともに、情報発信にも力を入れる戦略を打ち出した。そこで考案されたのが、源泉数、湧出量がともに日本一を誇る温泉と食をPRするキャッチフレーズ「日本一のおんせん県おおいた 味力(みりょく)も満載」だ。

左上から時計回りに、別府の源泉「海地獄」は竹籠でゆでる温泉たまごも有名/由布院温泉にある、山のホテル「夢想園」の湯/かぼすの産地としても知られる/佐伯市の「佐伯寿司」

ところがこのフレーズが想定外の波紋を呼ぶことになる。今後の活用を見込み、また第三者による営利目的の登録を防ぐため同年10月に「おんせん県」の商標登録を特許庁に申請したが、「他県にもあてはまる」とされ認められなかった。さらに、有名温泉地を持つ他県から批判されるなど、逆境に立たされてしまう。

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