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日産がOmnicom Groupと契約、専門チーム「Nissan United」を管理

織田浩一

ニュースのポイント:次はテレビのオーディエンス購買にということで、来週Simulmediaを訪問してくる予定。スマートテレビ対応でも他の企業が活発に動いているのがアメリカの現状である。

 

日産がOmnicom Groupと契約 エージェンシーユニット

日産はOmnicom Groupと3年間の新規契約を結んだ。これは、同社の全マーケティングを統括するグローバルなエージェンシー部門の立ち上げの一環という。

日産のクリエイティブ活動は、TBWA/Chiat/Dayが26年間にわたって担当していたが、その間、同社は数々の姉妹会社と提携して各分野の業務に対応していた。今後はインフィニティ関連以外のコミュニケーション、広告、デジタル、メディアなど、すべてをひとつのユニットで一括して運営する方針で、OmnicomGroupがNissan Unitedと名づけられた専門チームを管理することになる。ニューヨークを拠点とするこの新ユニットにはTBWA、Interbrand、博報堂などから、さまざまな分野を専門とするメンバーが参加の予定。リーダーには2007年にTBWA/Chiat/Dayに入社し、日産/インフィニティを担当してきたJon Castle氏が指名されている。

■ソース:「アドエイジ」10 月3 日
Nissan Becomes Latest Carmaker to Set Up a Bespoke Agency

世帯別のCM配信もデジタル化に対応始めた、米国テレビ業界

DirecTVは今年から、マーケターに提供する広告ターゲットを、番組や地域別だけではなく、オーディエンスレベルにまで拡張すると発表した。まだ本格的には実現されていないが同社の取締役副社長によれば、新たなテクノロジーにより、テレビコマーシャルを世帯別に配信することも可能になるという。テレビ業界はそのリーチ力を頼りに変化を拒んできたが、より正確な視聴者ターゲティングを中心に、デジタルに対応する動きを見せはじめている。オンデマンド視聴や端末の選択肢の増加により、視聴者の細分化が加速したことが主な理由だ。

CablevisionとDish Networkも同様のオーディエンス・ターゲティングを導入し、まだごく小規模ながら、確かな手ごたえを得ているという。テレビ広告ネットワークのSimulmediaも、視聴者データに基づく番組レベルのターゲティングを行っており、現在1億1600万世帯にリーチを広げている。

■ソース:「アドエイジ」10月14日
$70 Billion TV Ad Market Eases Into Digital Direction

広告業界で過熱する、テクノロジー企業との顧客獲得競争

2000年代後半、広告会社は次世代の成長分野として、独自の広告ネットワークやアドエクスチェンジなどのオーディエンス購買機能を次々と開設したが、プラットフォームの多くはDSPなどプラットフォーム企業とライセンス契約を結んで使用していた。ところが現在、プラットフォーム業者が広告会社を排除して、直接マーケターにアプローチするケースが増え、両者の競争が激化している。実際、低価格での導入、取得データを自社で管理できる自由度の高さから、P&Gやケロッグをはじめ一部の大手企業はすでに、テクノロジー会社と直接契約し、独自のトレーディング部門を社内に設立している。

しかし多くのマーケターは、DSPを利用するにしても、それを戦略的に管理するトレーディングデスクの機能を必要とし、結局は広告会社の利用に戻ったり、テクノロジー企業がアカウント管理のために広告会社のような部門を設立する状況にもなっている。

■ソース:「アドエイジ」10月13日
Adland's Battle Royale: Agencies Defend Turf As Ad Tech Moves In On Clients

スポンサーコンテンツ Forbesの広告収益の20%に到達

2010年にForbesが、ディスプレイ広告だけでなく、スポンサー記事そのものをオンラインサイトに直接掲載できる「AdVoice」を開始した際、広告と編集の境界を侵害するという批判を含め、議論が起きた。3年経った今、名称変更を経て「BrandVoice」となったが、Forbesの広告収益の20%を担っており、同社では来年には30%に達すると予測している。

20%という数値は2012年夏にForbesが予測した25%を下回る結果ではあるが、同社ではデジタル広告の収益が53%と今年から印刷広告を超え、スポンサー記事の影響力も確実に拡大しているという。このスポンサー記事は、デジタル専門の出版界に広がり、実際の記事にデザインを似せて挿入するなど、読み物として違和感を持たせない工夫もされている。そのため、読者の誤解を誘いメディアの信頼を損なうと、報道理念の観点から拒否感を持つ出版社もまだ多く、広告としての透明性の確立が今後の課題といえる。

■ソース:「アドエイジ」10月10日
Buys That Include Sponsored Content Now 20% ofAd Revenue at Forbes

オンライン広告収益 モバイル中心に全体で2桁台の成長

2013年上半期のオンライン広告収益は総額で201億ドルにのぼり、前年同期から18%増と2桁台の成長を遂げていることが、PricewaterhouseCoopersによるIABの『InternetAdvertising Revenue Report』で報告された。

スマートフォンやタブレットの普及にともない、広告収益もデスクトップからモバイルに移行しつつある。レポートによれば、2013年上半期のモバイル広告収益は3億ドルで、前年比で145%増という急激な成長を記録している。IABの調査/分析/観測担当副社長を務めるSherrill Mane氏は、総合で2桁台の前年比上昇率が5年連続で続いていることを挙げ、業界全体にとって明るい兆しであると述べた。

また、ウェブビデオも広告収益が伸びており、本年度上半期の収益は13億ドルと前年同期比で24%増を記録。検索広告も安定した成長をし、収益額は前年比7%増の81億ドルだった。

■ソース:「アドウィーク」10 月9 日
IAB Study: Online Ad Revenue Continues Double-Digit Growth

3つの「P」が支える、リアルタイム・マーケティング

2010年からオレオのデジタル エージェンシーを務めリアルタイム・マーケティングの実績がある360iのCEO、Bryan Weiner氏は、成功の鍵となる3つの「P」を紹介した。

Planning(計画):その時々の感情に訴えるリアルタイム・マーケティングでも、事前の戦略的な計画は不可欠。そのブランドが日頃から社会に対しどのような姿勢で臨み、発言がどのように受け取られるか、消費者の注目に対してブランドが提供できる価値は何か。そして、その価値はブランドにふさわしいものかを考慮する必要がある。

Process(プロセス):マーケターは明確な方針と広告会社、社内広報、法務部門が連動した、より上部での意思決定に従って機敏に対応できる体制を持つ必要がある。

Practice(実践):実践を重ねれば、緊急事態にも備えられる。オレオも「Daily Twist」キャンペーンなどのの経験が、スーパーボウル中の急な停電に対応できた基盤になっている。

■ソース:「アドエイジ」10月14日
Oreo's Digital Shop: Real-Time Marketing Takes a Lot More Than One Tweet

織田浩一氏(おりた・こういち)

デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービスを日本大手広告会社、WEB制作会社、総研などに提供。広告・メディア業界におけるR&D業務のサポートを行っている。オンライン、オフライン広告の近未来に関するブログ、メルマガを下記のアドレスにて公開している。http://www.adinnovator.com

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