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米国広告マーケティング事情

米国でインターネットラジオの競争激化、広告費は60%増に

松本泰輔

RAB( Radio Advertising Bureau)によると、ラジオ総売上額を地上波とデジタルに分けて算出し始めた2009年の480億ドルから2012年の767億ドルまでデジタルラジオ広告費は60%増となっている。またここ数年、デジタルラジオ用アプリは増え続け、リスナーの選択肢も拡がっている。毎月サブスクリプション・フィーを払う広告なしの有料プランもあるが、広告つき無料プランの方がポピュラーなため、企業もデジタル音楽配信サービスを積極的に活用し始めている。

ターゲット広告が可能
―Pandora

インターネットラジオの先駆者Pandora。それまでジャンル分けしかできなかったラジオ業界に「アーティスト別ステーション」を確立した。曲指定はできないが、指定したアーティストと同様の音楽を流してくれる。

インターネットラジオのパイオニアPandoraは2004年、前身の会社で放送を開始し、2005年にPandora Radioと改名、2008年にiPhone用アプリをリリースして人気を博した。従来のインターネットラジオでは音楽ジャンルで分けられたラジオ局を選択できてもアーティストは選べなかったが、Pandoraは好きなアーティスト名のステーションを設定すれば、そのアーティストもしくはそれに似たテイストの曲がかかる仕組み。加えて地上波ラジオでは広告投下エリアを指定することはできないが、Pandoraは日本の郵便番号にあたるジップコードでリスナーの住所特定ができるため、広告主はジップコードで区切ったエリアにラジオCMを打つことが可能になった。

本誌2012年7月1日号で既報の通り、ニュージャージー州に拠点を持つカーディーラーは、Pandoraでエリアを絞った広告投下ができるため、地上波ラジオ広告に比べて無駄が少なく、よりコスト効率のよい集客が可能になったと述べている。

曲指定で試聴できる
―SpotifyとRdio

ヨーロッパで生まれたSpotifyは「デスクトップ限定無料オンデマンド音楽配信」を提供し、好きなアルバム全曲試聴できるのが他社にはない強み。

Rdioもアーティスト・ジャンル別にカスタムメイドできる。年内にはSpotifyと同様に「デスクトップ限定オンデマンド無料ラジオ」をローンチする予定。

聞きたい曲を指定できないPandoraに対し、好きなアーティストのアルバムを無料で聞くきくことができるのがSpotifyだ。月々使用料を払う有料プランなら無制限で好きな曲を聞くことができ、デスクトップ用アプリなら広告つき無料プランでも1枚のCD全曲を通しで聞くことができる。

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