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スマートフォンで変わる消費行動

道具に支配される消費者たち――「スマホ依存」と購買の変容とは?

編集部レポート

国内のモバイル利用者のうち、約4割を占めるというスマートフォンユーザー。絶えずSNSのチェックや情報検索を繰り返す「スマホ依存」とも言えるユーザーが増える中、企業はスマホを販売促進やブランディングなどに活用する難しさにも直面している。

CEATEC

10月7日から5日間にわたり千葉・幕張メッセで開催されたIT・エレクトロニクスの展示会「CEATEC」。トヨタや初出展となるホンダなど自動車メーカーがスマートフォンを活用したサービスを披露したほか、スマホと連動した健康管理システムを集めたオムロンヘルスケア、「Xperia」の新モデルを発表したソニーなどのブースも賑わいを見せた。

中でも注目は、ウェアラブル端末「インテリジェントグラス」を披露したNTTドコモだろう(写真下段)。スマートフォンを持つことなく映像を視聴できる「手ぶらでムービー」のほか、対面した相手の名前を忘れても視界に情報が現れる「見るだけインフォ」など4種類の端末がお披露目となった。今やスマホすら持たない、新たなコミュニケーション体験が技術的には可能となりつつある。

今秋にはドコモもiPhoneの販売を開始し、日本国内のスマホ普及はさらに進むと見られている。その一方で、「スマホのある生活」に没入しすぎてしまう「スマホ依存」とも言えるユーザーが増えている状況に対し、懸念の声も聞かれるようになった。

日本人はスマホにハマりやすい?



8月には米国で「I Forgot My Phone」という動画がYouTube上に公開され話題となった。ロサンゼルス在住の女優が制作したもので、「スマートフォンに夢中の友人たち。主人公がボーリングでストライクを決めた瞬間を誰も見ていなかった」「公園でブランコに乗る子どもも、スマホを手放そうとしない」「食事やデートの最中も、スマホで“自分撮り”ばかりしている」といったシーンが客観的に描かれる。スマホを持たない主人公は、スマホにすべての行動が支配されている周囲の振る舞いを寂しく眺めるのみである。

日本でも同様の現象が起きつつある中、物理学者の志村史夫氏(静岡理工科大学教授)は「スマートフォンは21世紀のアヘン。特に同質性の強い日本人はスマホ中毒になりやすい。表層的な情報に溺れ、自分で物事を判断する能力を失ってしまう危険性が高い」と警告する。

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