プロモーショナル・マーケティング研究(第6巻)
日本プロモーショナル・マーケティング学会は、2013年度の研究助成対象研究の中から、査読論文3、学術研究論文要約2、実務研究論文要約4、研究レポート要約3を収録した論文集「プロモーショナル・マーケティング研究(第6巻)」を発刊した。
日本では、プロモーションに特化した「論文集」の継続発刊は他にはない。当然、査読付きの学術論集も当誌のみである。もちろん、プロモーションに特化した「学会」も他にはなく、当学会が唯一の存在である。
最近は、マーケティング費用の支出ウエイトがプロモーション領域に大きくシフトしているが、プロモーション活動に関する理論的・実証的な研究は欧米に比べると大きく遅れている。そのため、プロモーション研究の環境は整っておらず、容易ではない中での、文字通りの労作である。
この論集(第6巻)では、査読付き学術研究論文としては、1つのWEBページ上に、多数の正の口コミと負の口コミが掲載される現実を前提とした研究、「クチコミ効果へのブランド熟知性の影響~消費者のブランド評価に着目して~」菊盛真衣(慶應義塾大学大学院商学研究科)。4種類のプロモーション手法の効果に対してスイッチング・バリアと顧客満足が与える影響について検証した「スイッチング・バリアがプロモーション効果に与える影響~携帯電話キャリアによる検討~」八島明郎(専修大学商学部専任講師)。また査読付き実務研究論文としては、小売業のEDPL戦略やPB戦略に対し、商品自体の付加価値を高める非価格プロモーション施策の検証として「五感刺激(香り・POP)による店頭プロモーションがショッパーの購買行動に与える効果検証」渡辺将行(江崎グリコ・菓子営業部首都圏統括支店)が載せられている。