日本とグローバルで異なるキービジュアル
日本でのキャンペーンにおけるキービジュアルは、ターゲット層に対して、どう語ったら興味を持つかを考えぬき、“宇宙”が持つかっこ良さとともに“AXEらしさ”を維持するため、宇宙飛行士のヘルメット部分にキスマークをつけた。
プロモーションは日本独自
フェイスブックで友人の支持を集めるだけで“宇宙”に行ける。男性用化粧品ブランドの「AXE(アックス)」は、全世界で24人を宇宙飛行に招待する「AXE 宇宙飛行士選抜キャンペーン」を世界63カ国で展開している。日本でも7月より宇宙飛行士を公募しており、キャンペーンサイト内の一般投票で選ばれた上位3人が、12月に米・フロリダ州で行われる宇宙飛行士選抜トレーニングに参加。最終的に1人が“宇宙飛行士ニッポン代表”として選出され、2014年後半に予定している宇宙飛行へ飛び立つのだ。
2013年1月よりユニリーバの本社があるイギリスを皮切りに始まった同キャンペーンだが、どの程度の仕組みまでが、グローバル統一で決められているのだろうか。
日本において今回のキャンペーンを担当したユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング マーケティング-ブランドビルディングの宮下優一氏は、次のように話す。「グローバルで決まっていたことは、キャンペーン自体のコンセプトである『宇宙飛行士は最高にクールであり、どんな女性をも惹き付ける魅力を持っている』ということと、今回の宇宙飛行の企画内容のみ。このキャンペーンをどのようにPR・広告投資するか、店頭での展開はどのように行うかは、日本サイドで決めていきました。今回のグローバルキャンペーンへの日本参加は、2012年の中旬ごろから決まっていました。早々に参加が決まっていたにもかかわらず、日本でのキャンペーン開始を7月にしたのは、最もスプレー剤の売上が伸びる時期だからです。また、日本で展開したキャンペーンビジュアルやキャッチフレーズも、日本独自で決めました」。
キャッチフレーズは、「宇宙行きのチャンスを手に入れろ!」というもの。AXEが一般の人を、本当に宇宙飛行へ招待するという「ウィットに富んだ様子」と、「お祭り感」を感じさせるものにした。日本でのターゲット層に対して、興味を持ってもらうことを考えぬいた末にできたという。「キービジュアルについて女性を前面に出す従来のスタイルでは、日本人が抱く“宇宙”のかっこ良さとコンセプトがズレてしまうのではないかと考えました。しかし女性の要素が皆無だと、AXEらしさが消えてしまう。そこで、宇宙飛行士のヘルメット部分にキスマークをつけました」(宮下氏)。