オリンピック開催により、スポーツ人口の増加や観戦機会の増大に伴う、市場の活性化も期待されている。ここでは野村総合研究所が2012年のロンドンオリンピック後に実施した調査などから、日本人のマインドの変化や東京開催によるスポーツ市場への影響を読み解く。
多大な喜びをもたらすのは「ノーベル賞より金メダル」
日本時間の9月8日未明、2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定した。東京の他には、スペインのマドリードとトルコのイスタンブールが開催都市に立候補していたが、東京はイスタンブールとの決選投票の末、開催都市の座を勝ち取った。
日本は早朝から、2020年東京オリンピック・パラリンピックのニュースで持ちきりとなり、日本中が喜び一色のムードであった。
では、オリンピックは日本人にとって、どれくらい価値を持つものとして認識されているのだろうか。野村総合研究所(NRI)は2012年9月に、20歳以上の男女2000人を対象に、スポーツに関するアンケート調査を実施した。
図表1のデータは、「日本代表チーム、日本代表選手が国際大会で活躍する(優勝する、メダルを獲得する)」ことは他の事柄と比較して、どの程度うれしいかを示している。結果をみると、「日本人がノーベル賞を受賞する」や「日本の文化人が国際的に高い評価を得る」などよりも、日本のスポーツ選手が国際大会で活躍することの方が、相対的に高い評価を得ていることが分かる。
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