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2020年東京オリンピック開催決定!

2020年五輪開催に向け、日本人は「IllnessからWellnessへ」

マッキャンヘルスコミュニケーションズ ジャック・ブレーキー

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写真/123RF

オリンピック開催に伴う消費者マインドの変化、それに伴って活性化する産業とは何か。過去の開催国の事例をもとに考察。まずはスポーツと関連性の高いヘルスケア市場への影響、派生を考える。

2020年に東京で2回目のオリンピック開催が決まった。まずは日本の皆さんの熱心な誘致活動の成果に心から敬意を表したい。

私の日本の知人の父親は90歳を超えて今は介護サービスを受ける身になっているが、「もう一度オリンピックを見るまでは死ねない」と本気で言っていると聞いた。オーストラリア出身の自分にはとても信じがたい気概だ。人間の行動モチベーションは「魅力あるゴール設定」×「危機感」×「達成可能性」の掛け算で形成されるという。1964年に開催された東京オリンピックを契機に飛躍的な経済成長を遂げた実体験をもつ日本の現在の高齢者にとって、いま一度あの興奮と躍動感が得られるとなれば、生存をかけた努力にも十分に見合う実に魅力的な目標となるのであろう。

健康へと関心が派生

オリンピックはこのほかにも、広く一般市民に健康意識を広め、日々の生活スタイルを見直すという効果をもたらす。2008年の北京オリンピックでは富裕層を中心にフィットネスブームが到来。のびやかな太極拳を毎日の習慣としていた民衆の一部がフィットネスジムへと流れてしまい、毎朝公園で見られていたお決まりの光景が少し閑散としてしまったらしい。この背景には経済成長とともに特に都市部で進んだ中国国民のメタボ化を憂う中国政府のテコ入れもあった。

外資系フィットネスクラブの現地法人登記の規制緩和や、北京オリンピックの開幕式が行われた8月8日を「全民健身日」に制定してイベントを誘致するなど、健康増進に寄与する私企業の活動を奨励している。

まだ記憶に新しい昨年のロンドンオリンピックでも開幕が近づくにつれてアマチュアアスリートが急増、特にジョギングとサイクリングの人気が高騰した。オフィスへの通勤時間を利用して少しだけ本気で記録挑戦を楽しむ、そんなレベルでの気軽な流行り方であったため、閉幕から1年が経った今でもその習慣を継続できている人が少なくないという。

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