
グローバルブランドキャンペーン「AMAZING IN MOTION」を展開するLEXUSは8月、東京・青山にブランド体験スペース「INTERSECT BY LEXUS」をオープンさせた。コーヒースタンドとビストロからなる空間では、接客でもフレンドリーさを重視し、LEXUSカスタマー以外の人たちにもブランド体験の場を提供していく。レクサスブランドマネジメント部の高田敦史部長に、「INTERSECT BY LEXUS」を中心とした、ブランドのコミュニケーション戦略について話を聞いた。

「INTERSECT BY LEXUS」の外観。
LEXUSはグローバルブランドキャンペーン「AMAZING IN MOTION」の一環として8月、東京・青山にブランド体験スペース「INTERSECT BY LEXUS」をオープンした。インテリアデザイナーの片山正通氏をはじめ、様々な人やブランドとコラボレーションした空間で、LEXUSカスタマー以外も気軽に利用できる開かれた場づくりを目指した。
1階にはコーヒースタンドとクルマカルチャーとライフスタイルを提案するエキシビジョンスペース「Garage」を、2階にはビストロとLEXUSが提供するライフスタイルアイテム「CRAFTED FOR LEXUS」のショップを設置。また地下にはバースペースを設け、LEXUSと関係のある、東京で様々な活動をする情報発信者の交流の場として提供していく(地下のみ一般向けの営業はしていない)。
----LEXUSはマス広告からオウンドメディアを使ったコミュニケーションまで、さまざまな接点でブランド体験を提供している。その中で「INTERSECT BY LEXUS」が果たす役割をどのように設定しているのか。
テレビCMに、雑誌でのタイアップ企画といった比較的マスにリーチするコミュニケーションから「Life is amazing」 をテーマにしたショートフィルム、国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD」、雑誌スタイルのオウンドメディア「BEYOND」など、LEXUSに関心を持った方々に能動的にアプローチいただく展開まで、ブランドとの接点は様々あります。
その中で「INTERSECT BY LEXUS」は、ブランドの原点でありブランドの世界観が凝縮された場という位置づけです。
----なぜ今、ブランドが凝縮された空間、場をつくったのか。
1989年にアメリカ市場で初めてLEXUSの販売を始め、2005年には日本でも販売を開始。その間も世界の国々での展開を進め、現在約50万台が世界で販売されています。「新しい時代の新しいラグジュアリーを提案したい」という意気込みのもとに開発されたブランドですが、事業規模が拡大するにつれ、発売当初のブランドの想いが薄まってきてしまうところがありました。もう一度、原点に戻ってブランドの想いを伝えたい。LEXUSが考える21世紀のラグジュアリーを提案したいというのが、「INTERSECT BY LEXUS」をオープンするきっかけです。
----「21世紀の新しいラグジュアリー」とは、具体的にどのようなものか。
高級車に乗ることで周囲の人からリスペクトしてほしいという思いを否定するわけではありませんが、自分の気持ちが豊かになり、高揚するための車としてLEXUSを選んでほしいと考えています。他人基準ではなく、あくまで自分基準で選ばれる高級車でありたいというのが私たちが目指してきたことです。
環境への負荷低減は今後の大きな課題であると思いますが、高級車の中ではLEXUSにお乗りいただくのが最も負荷の少ない選択だと思います。ですから自分基準を持ちつつも、周囲に対する思いやりを持った人をLEXUSオーナーとして想定しています。
またこうした価値観が「21世紀型の新しいラグジュアリー」だと考えています。

トイレの天井にはミニカーが。大人の遊び心や冒険心を表現。
----LEXUSが表現したいブランド価値とは。
大きくはオーセンティック、ユニーク、デザインの3点です。オーセンティックについていえば、高く評価いただいている技術力、品質に加えて、日本発の高級ブランドとしての匠、クラフトマンシップをさらにお客様に伝えていきたいと思います。
「INTERSECT BY LEXUS」の空間を通じて表現した他、日本各地の若き匠たちが制作するライフスタイルアイテムを「CRAFTED FOR LEXUS」として販売するのも、クラフトマンシップの表現のひとつ。また「INTERSECT BY LEXUS」の空間づくりでは、乗ることで気分が高揚する、そんなLEXUSが提供できるエキサイティング、ロマンティックという価値も表現し、ユニークさを感じてもらえればと考えています。LEXUSは世界のショールームでの「おもてなし」を重視した接客姿勢は高い評価をいただいていますが、一方で敷居が高いというイメージがあるのも事実。もっとアクティブでフレンドリーなLEXUSブランドを見せていきたいと思いますので、「INTERSECT BY LEXUS」ではホスピタリティに加え、フレンドリーさを感じていただける接客を重視しています。
デザインについては、片山正通さん他日本を代表するクリエイターとのコラボレーションで実現している「INTERSECT BY LEXUS」という空間自体、さらには若きクリエイターをサポートするデザインコンテストなども通じて、発信をしていきたいと考えています。
世界的に見て「新富裕層」と言われる人たちが増えていますし、そうした方たちに日本発21世紀型のラグジュアリーは受け入れられるはず。今回、空間デザインをお願いした片山正通さんと組んで、ニューヨーク、ドバイにも「INTERSECT BY LEXUS」をオープンさせる予定ですし、LEXUSブランドの世界観を体感していただきたいと思っています。


「INTERSECT BY LEXUS」の来客ターゲットは時間軸で設定している。「朝は青山エリアで働く人たちが通勤途中でコーヒースタンドに立ち寄るイメージ。昼は近所に住んでいる人、また青山に遊びに来た人が、ちょっと時間をかけて2階のビストロで食事を楽しんでもらう。夜は地下のバースペースで、東京の情報発信者の人たちによるイベントが開催され、クリエイエティブでエキサイティングな交流の場が生まれれば」と高田氏は話す。