スマートデバイスの普及により、新聞・雑誌の役割は変わってきた。元・小学館の中村滋氏は、雑誌メディアこそ「ニッチ to ニッチ」のマーケティングを実現するメディアへの変貌が必要だと指摘する。
Point1
スマートメディアは第6のメディア。ユーザーへ普及していく加速度に、雑誌メディアは追随できていないのではないか?
Point2
雑誌メディアには「マス to マス」の対極にある、「ニッチ to ニッチ」を実現させるマーケティングの役割が求められている。
Point3
今はニッチからマス=ヒット商品が生まれる時代。「小さな商い」を積み重ねることで、「ニッチ to ニッチ」を成立させるマーケティングが拡大する。
マスコミ以外の企業で進むスマートメディアの対応
2010年に12月に上梓した自著『スマートメディア』(発行:デコ)の中で、私はマスメディアの後に続く次世代メディアとして「スマートフォン」「スマートパッド」「スマートテレビ」の3つをあげました。3年近く経った今、当時の予想を上回るスピードでこれらの「スマートメディア」はユーザーの間に普及しています。今ではテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネットに続く、「第6のメディア」としての地位を確立したと言えるのではないでしょうか。
では新聞社や雑誌社は果たして、この「第6のメディア」の出現に正面から立ち向かっていると言えるでしょうか。新聞紙面の電子版の発行、雑誌コンテンツのソーシャル化といった取り組みは頻繁に聞かれますが、雑誌や新聞をそのまま電子化して複数のデバイスを通じて配信するだけでは、「スマートメディア」とは言えません。