
年齢、性別問わず、全ての生活者には必ず「生活動線」がある。生活とは時間と空間が織りなす一つの線の上を、動いたり止まったり、時にしゃべったり、沈黙したりすることの連鎖...つまりは24時間×365日の暮らし方、活動の仕方の流れといえる。100人が100通りの「生活動線」を持っているように思えるが、分析していくと実はいくつかのパターンがあることが見えてきた。世代・時代・ライフステージなどによって構造化しうるパターンだ。このパターンが分かれば、「例外」も見えてくる。本連載では全6回にわたり、代表的な「生活動線」のパターンを解説していく。
第2回では、「朝食シーン」を覗き窓にしてポストマタニティ世代、つまり乳幼児を抱える女性たちの生活の中の「気づき」を整理してみた。今回は引き続きもう少し「朝食シーン」にこだわってみることから始めたい。
「朝食シーン」という「生活シーン」を追跡するのに必要なモノサシは、本連載の1回目に述べたように、「TPOPP」である。T=時間帯と時間数は朝、ほぼ7時から8時前後、時間数は30分くらいというところだろう。
出勤時間が早いことが習慣になっている夫であれば、手作りのおにぎりを持ってでかけてオフィスで食べたり、コンビニで調達したサンドイッチと野菜ジュースであったり、外食モーニングであったりということになる。これはO=オケージョン、事情の選択によって生まれでたシーンということがいえる。P=サイコロジー、生活心理からみれば、「朝飯も作ってもらえない悲惨な夫」ではなくて、むしろ心豊かなのだといってもいい。気を使うことなく自分の時間を過ごすことで、「仕事を始めるためのリセットの時間を持つ」ともいえるのだ。