新たな広告商品の企画開発にデジタル化への対応...。常に世界の出版界の動きを牽引してきた、米国の雑誌業界の動向を現地からレポートする。

『ウィメンズヘルス』の9月号には表紙が2枚ある。表紙を飾るのはエリザベス・バンクスさん。最初の表紙のバンクスさんは、均整の取れた身体、特に脚が自慢だ。雑誌を裏返して逆さまにすると流行の服を着たバンクスさんが登場する。この表紙の副題は「秋のファッションスペシャル」で34ページのうち16ページが広告である。
2013年も半分以上が経過し、早くも年末を迎えようとしている。今年は長く続いた部数や広告ページの減少が止まり、回復への道のりが始まるだろうと思われた。しかし、ここにきてそうした望みが、再び消えようとしている。
最近の傾向として、広告ページは分野を問わず減少している。大半の分野が、第1四半期の減少に続き、第2四半期も下降線をたどった。そして大きく落ち込んだ分野は、またもやニュース週刊誌だった。この分野は、10年以上も広告ページの減少に苦しんでいる。今年の上半期が終わった時点で、生き残った3誌『タイム』『エコノミスト』『ザウィーク』の広告ページの合計は、わずか1367ページで、昨年の2084ページを34.4%も下回った。2012年の数字には印刷版を中止した『ニューズウィーク』の344ページも含まれている。この3誌は、いずれも2桁台の減少だった。この分野には今後も、さらなる苦難が待ち受けているだろう。
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