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テレビ×ソーシャルの起爆力

企業がソーシャル連携に取り組む前に――技術ではなく、「人」を主語に話をしよう。

廣田周作(電通 プラットフォーム・ビジネス局)

テレビ×ソーシャルの連携は両者をつなぐ各種WEBサービスやアプリなど、ややもすると技術先行で進んでいるきらいがある。「人を中心、人を主語にした議論が必要」と指摘する廣田氏に、企業コミュニケーションに活かすポイントを聞いた。

1.人の習慣、癖を徹底的に観察する

デバイスや技術が主語ではなく、人を主語にした連携の形を考えないと、広くユーザーに使ってもらい、楽しんでもらえるものは生まれない。人を観察し、習慣や癖、インサイトを発見することで、テレビ×ソーシャルの領域でも経験の開発、習慣の開発をしていくことが必要。

2.コミュニケーション消費のネタを提供

"バルス祭り"が「ラピュタ」の内容についての議論ではなく、一つのネタに皆で乗っかって楽しむ"ネタ消費"だったように、日本人はコンテンツ消費ではなくコミュニケーション消費を好む傾向がある。うまく、皆が楽しめるようなコミュニケーション消費のネタになるようなことを考える。

3.ユーザーの興味の受け皿をつくる

たとえばツイッターなら、CMと同時にリアルタイムに近い形でCMに関する情報をプロモツイートで発信する。あるいはCMの放送のタイミングにあわせて、CMと連動した動画やビジュアルをVine、instagramを使って発信する。今あるツールとサービスを組み合わせるだけでもできる、テレビとソーシャルを連携させる方法がないか考えてみる。

4.気持ちよくシェアできる環境をつくる

ソーシャル上で話題が拡散する際は、情報がコアファンに届いて、そこで熱狂的な盛り上がりが生まれ、まとめサイトにまとめられて、ネットニュースに載る。この流れを踏まえて、ソーシャル向けにカスタマイズしたPR活動を考える必要がある。大切なのは、ユーザーファーストの視点。ユーザーが気持ち良くシェアしたくなる環境をつくること。

テレビ×ソーシャルという議論が生まれてきた背景にあるのは、世界的なスマートフォンの浸透。テレビとスマホをダブルスクリーンで視聴するスタイルが浸透しつある中で、テレビとソーシャルメディアを連携させたコミュニケーション施策の可能性が生まれてきました。

たとえば欧米ではテレビの映像を解析し、文字情報に転換して配信してくれるスマホ向けアプリ「ジーボックス」が人気で、ダウンロード数が300万を超えています。国内でも、特定の音声を認識するとインセンティブを受け取ることができるカカオトークのアプリ「Stac(スタック)」などは、テレビCMから店頭へ誘引するO2O施策に活用されています。

このように、国内外でテレビとスマホをはじめとしたスマートデバイスとの間を埋めるサービスが続々と開発され、世に出ています。しかし、これはあくまでテレビ×スマホという「デバイスの」話。そこに「人」が介在しなくてはなりません。技術が主語、あるいは企業が主語の概念では、決して広くユーザーに受け入れられるようなものにはなりませんし、ユーザーに受け入れられないようなものでは、企業コミュニケーションに活かすのは難しい。テレビ×スマートフォン、さらにソーシャルというプラットフォームを企業が活かす際の課題は、ここにあるのではないかと思います。

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