「フワリエなら、髪ヤケドに負けずに巻ける!」――このコピーを、卸店用商談パンフレット、新商品カタログ、店頭販促物、雑誌広告、ブランドサイトといったあらゆるチャネルで一気通貫して打ち出している。写真は、営業向け説明資料。
トイレタリー商品や基礎化粧品、日用雑貨の製造・販売を手掛けるクラシエ ホームプロダクツ。2010年に発売20周年を迎えたヘアケアシリーズ「プロスタイル」や、2014年に発売20周年となるスキンケアシリーズ「ナイーブ」など、ロングセラーブランドも多い。
カテゴリーマーケティング部スキンケアグループの神保文子さんは、これまでの6年間、ヘアケアカテゴリーの宣伝・広告を担当してきた。「入社後の4年間、営業を経験したのち、かねてから希望していた宣伝部門へ。当初は、先輩社員とともに『プロスタイル』を担当しました。異動から半年ほどが経ち、ちょうど一通りの業務を習得し終えた入社5年目の2009年3月、新たなヘアケアブランド『プロスタイルFuwarie(フワリエ)』の立ち上げに携わることに。4年間このブランドに関わる中で、商品の特徴を伝え、購買行動につなげる言葉の役割と重要性を痛感しました」(神保さん)。
フワリエのターゲットは、10代後半~20代前半の女性で、ヘアアレンジのためにアイロンやコテを日々使っている人。当初から社内の期待も高い商品だったが、発売直後は、思うように売上が伸びず、非常に厳しい状況に追い込まれたという。そこで同ブランドは2010年、大幅なリニューアルを実施し、商品内容、パッケージ、宣伝・広告とも一新して再スタートを切った。「社長からも、これがラストチャンスと言われていました。『こうなったら、無難な道に走らずに、思いきり挑戦してやろう』という意気込みで取り組みました」(神保さん)。
リニューアルにあたり、宣伝・広告ではキャッチフレーズに徹底的にこだわった。ターゲットに真に刺さる言葉とは何か。それを見つけるために、改めてターゲットのインサイトに立ち返り、彼女たちとブランドとの接点を徹底的に考え抜いた。またターゲットに対する理解を深めるだけでなく、彼女たちに響く表現のトーン&マナーを体得しようと、たくさんのティーン雑誌にも目を通す日々。「雑誌の編集部の方や、ティーン世代に詳しい広告会社の方にお話を伺う機会も多くあり、とても参考になった。聞いたことをただ鵜呑みにするのではなく、『自分だったらどう言うか』を考えて、議論を交わし、効果的な広告づくりにつなげていくためには、言葉の力を磨くことが不可欠と、日々実感しました」。