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変革する広告業

スマホの登場で進化、リサーチは「記憶から記録へ」

インテージ 常務取締役 石塚純晃 

インターネットが登場して以降、リサーチ業界も大きく変化をしている。今年10月の持株会社制移行に伴い、新インテージ代表取締役社長に就任予定の石塚純晃氏は、従来のマーケティングリサーチ会社からの変革を掲げ、生活者のリアルタイムデータを基に、あらゆるマーケティングプロセスをサポートする企業への改革に着手し始めている。

─リサーチ会社に求められる役割の変化をどのように捉えているか。

社内に対しては「生活者が変わる。マーケティングが変わる。リサーチの体系を"変える"」と呼びかけてきた。時代に合わせてリサーチのあり方自体を見直し、新たな役割とそれに対応した事業へと変革させていきたい。具体的な方向性としては、まず生活者の意思決定プロセスを解き明かしたいと考えている。昨年より慶應義塾大学の清水聰教授と連携し、氏が提唱する、新しい意思決定プロセス「循環型マーケティング」の考えを当社の各種調査のデータを基に実証する取り組みを行っている。ここではメディア接触から消費購買に至るまでを同一個人から収集できる、シングルソースパネルの「i-SSP」、NTTドコモとの合同会社である「ドコモ・インサイトマーケティング」のスマホを活用したリサーチシステムなどを用いている。取り組みの結果、見えてきた、新たな意思決定プロセスをベースに当社のソリューションを活用したコンサルテーションをしていきたい。

─スマホの浸透がリサーチビジネスに与える影響をどう見ているか。

従来のPCを使ったネットリサーチは、調査対象者が自らの記憶をもとに調査に答えていた。一方、スマホを使えば生活者の「今」をリアルタイムに捉えることができる。キーワードは「記憶から記録へ」。従来型のアンケート調査だけでなく様々な方法を用い、生活者の意識や行動に迫っていきたい。 

─今後の注力領域は。

これまで以上に、デジタル領域のテクノロジーに関する知見を深めていく必要があると考えている。今年あたりから、日本でも本格的にDMPの導入が進んでくると思うが、このDMPと「i-SSP」等の我々のリサーチサービスとの連携も進めたい。当然この場合、我々の調査分析にもテクノロジーの活用やリアルタイムに近いスピードが必須となってくる。マーケティング活動の高速PDCAに対応できる、リアルタイムの情報支援を行える体制を整えるべく、今後は知識や経験を持ったキャリア人材の採用、時に技術を持った企業との提携なども考えていきたい。そして最終的には生活者の意思決定プロセスを解き明かし、それをもとにマーケティング活動の川上から入って、活動の各プロセスにおける適切なリサーチや、データ分析・活用の提案をしていきたいと考えている。

編集部の視点

インターネットリサーチの登場後、受託型のリサーチは価格競争にさらされている。一方で新たなテクノロジーの浸透でアンケート調査以外に生活者の意識や行動に迫れる環境ができつつある今、インテージは従来型のリサーチ会社からの脱却を図ろうとしている。

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石塚純晃(いしづか・のりあき)氏

1959年生まれ。明治大学卒業後、社会調査研究所(現・インテージ)入社。取締役営業本部長、常務取締役などを経て2013年10月より代表取締役社長就任予定。

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