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現代 宣伝・広告の実務

大手広告主のテレビ出稿「一社提供」復活なるか?

小島伸夫/野上章(電通)

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ソーシャルメディア ラジオ「雨の日、いいこと。Happy Rainy J-WAVE」
雨が降ったら協賛企業や首都圏の店舗から特典が受けられた放送連動型O2Oサービスは、ラジオの新たな可能性を見せた。

テレビ・ラジオの放送メディアは、消費者の生活に深く浸透している。多メディアの時代だからこそ、際立つ特徴は。また今後どんなことができるのだろうか。

Point1

日本は番組制作、放送ともに同じ放送局が行うことが多く番組と広告の連動性を高めることも可能。

Point2

ラジオはよりインターネットとの親和性が高く番組とソーシャルメディアの連携や放送局全体のキャンペーンとしての連携も行っている。

Point3

優良放送コンテンツ(番組)のスピンオフなどを、ネットメディアでも配信し、それに広告を出稿するという新たな考えも出てきている。

消費者の生活に寄り添うメディア

「日本の広告費」において、テレビの広告費は、2009年に1兆7139億円、2012年は1兆7757億円となっており、リーマンショックの影響で落ち込んだ広告費も回復傾向にある(図1)。一方、多メディア、多デバイス、多サービス化、スマートフォンの普及を始めとした放送メディアに関連する環境の変化によって、HUTは下がりつつある。その中で、テレビの特徴は、今も昔も全国に向け、一気に情報を発信できるという点にある。商品・サービスなどのより詳しい解説は印刷媒体やインターネット媒体、店頭で訴求し、それらを組み合わせてプロモーションする。認知を高めることができるテレビCMは、キャンペーンなどの施策の中心となりやすい。

こういった特徴のテレビ・ラジオの放送メディアは、消費者の生活に寄り添うメディアである。ラジオは、今でもさまざまな場所へ訪れる際、自動車を運転しながら聴取されることが多く、テレビも朝の支度時に音声で情報を取得するなど日々の生活の中で何かを行いながら見たり聞いたりすることが多い。さらに、スマートフォンやタブレット端末の普及により、テレビを「ながら視聴」する人がこの10年で、10代から30代前半の層を中心に非常に伸びている(図2)。

スマートフォンやタブレット端末による「ながら視聴」の割合が増えたことで、以前は「インターネットに侵食されるのではないか」と考えていたテレビ関係者も、「インターネットと付き合うにはどのようにしたら良いか」と積極的に活用する方向に転換している。どちらかと言えば年齢層が高い人たちに支持されているラジオだが、インターネットとの親和性は高く、「radiko.jp」や「Podcast」などによって、若年層からの支持が広がってもきている。

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