SAFETY MAPー本田技研工業
スマホ向けアプリは日々多様化・複雑化しています。開発の観点からは「ブラウザ上で動くWEBアプリとしてつくるのか?」それとも「端末上で直接動くネイティブアプリとしてつくるのか?」が最初の大きな分岐点になりますが、今のところ一長一短です。ユーザーにとって何が便利か・役立つかで、その都度、判断するしかありません。一般的に、対応OSバージョンや更新が多く、ダウンロードの手間をかけさせたくない場合はWEBアプリが多く、今後もHTML5の進化やSNSとの連動という観点から、WEBアプリや、"いいとこどり"のハイブリッドアプリが増えるのではないかと思っています。
今回ピックアップした"みんなでつくる安全マップ"「SAFETY MAP」も、そんなWEBアプリのひとつです。同アプリは、インターナビ搭載車から収集された日本中の走行データから、急ブレーキデータを抽出。ベクトルや発生頻度で分析することで、「急ブレーキが多発している地点」を導き出し、警察が保有する事故情報やソーシャル上の投稿情報と組み合わせ、危険が潜んでいる場所だけでなく、交通上注意が必要な場所まで表示してくれるマップです。事故を発生する前から減らしていく、画期的なアイデアと言えるでしょう。
こうした、技術を活用して世の中を良くするクリエイティブは、世界的なトレンドでもあります。ビッグデータ、ソーシャル、HTML5...日々進化する技術の中からユーザーにとって何が大切で、喜ばれるかを判断し、便利に提供する。その結果ブランドが好かれ、選ばれる。企業アプリの目指すべき未来のひとつは、そんなところにあるように思います。
三浦 竜郎氏クリエイター。大手広告会社にて、マスとデジタルで、生活者とブランドの間に絆をつくるエンゲージメントクリエイティブ。ポップカルチャーとキャンプが得意領域。カンヌサイバー部門、ADFESTデザイン部門(デジタル)、TIAAをはじめ受賞多数。 |