広報課課長の榊原さんの手帳は、広報業務の予定でぎっしり。大学の"マネージャー"として、大学のブランドをトータルで管理している。
自校に優秀な学生を招き入れるため、卒業生からの支援を増やすため...。大学はいかに情報を発信し、ブランド価値を高めていくべきか。
昨年、創立125周年を迎えた東洋大学。専任職員6人のほか、嘱託職員1人、派遣職員2人、アルバイトからなる総務部広報課が、併設校や付属校、幼稚園を含む、学園全体のブランディング、コミュニケーションを担っている。「在学生や卒業生が母校への愛着や興味・関心を持てるような、印象に残りやすいトピックをピックアップして、積極的に学内外に発信している。今、どの話題にスポットを当て、強く押し出していくか。一般社会の関心事との兼ね合いも見ながら、広報課がそのバランスを決めている。
広報課が強いイニシアチブを発揮
現在の東洋大学は、学生3万人、卒業生28万人超の大所帯。加えて大学運営側の人数も徐々に増えている。「各個人が持つ大学へのイメージにブレが生じてきている。広報課が中心となって学内全体で統一イメージを共有しそれを学外に発信していくことで、盤石な東洋大学のイメージを構築したい」(榊原氏)。
たとえば昨年発行した『AERA Mook』も、学部の紹介に割いたページ数は学部ごとに異なる。一つひとつの取り組みの総和が、東洋大学全体のブランド価値向上につながるよう全体最適を図ることが、私たちの重要な役割」と広報課課長の榊原康貴氏。広報課が強いイニシアチブをとり、大学全体の"ブランドマネージャー"として機能することをめざしている。
「2018年以降、18歳人口が急速に減少していくと言われるなか、現在は7万人にのぼる当校の志願者数も徐々に減っていくことが予想される。それでも、なお選ばれ続ける大学であるためには、教育・研究内容や、その成果としての就職状況といった実績に加えて、大学そのものが持つキャラクター、イメージを伝えていくことが欠かせない。在学生はもちろん、広く世の中の人たちが『東洋大学とはどんな大学か?』を簡潔に説明できるような情報・コンテンツの提供に努めたい」(榊原氏)。