テレビCMから企業名、想起できますか?
国内の宣伝費上位企業39社を対象に、過去半年間に流れたテレビCMの想起率、およびそのCMから企業名想起できたサンプル数を1カ月ごとにリサーチ。
これにより企業ブランドの想起率を算出。さらに、特に注目したい1社の半年間の平均値の推移を検証します。
日仏の"国民的"コンテンツのコラボに注目集まる
サントリー食品インターナショナル オランジーナ「告白のとき」編
今回はCM想起数が前月(2013年4月)650件から当月(2013年5月)903件と、大きく伸びたサントリーを取り上げたいと思います。想起数903件は、分析対象の39社中、ソフトバンクモバイルの次に多い件数です。
※コミュニケーションデータシステム(CDS)が行う、1週間単位で記憶・印象に残っているCM調査(関東130万人のモニターから毎週1200人を抽出)から分析。
想起数アップの要因となったのは、フランス生まれの果汁入り炭酸飲料「オランジーナ」のCM。シリーズ展開している同CMは、昨年3月に放映をスタート。映画『男はつらいよ』の主人公であるフーテンの寅さんをモデルにしたフランス版"TORA"役に、ハリウッド俳優のリチャード・ギアを起用したことが話題を集めました。今年5月にはシリーズ最新作となる第5弾「別れのとき」編、第6弾「告白のとき」編が、それぞれオンエア開始。今回は、『男はつらいよ』への出演経験を持つ女優の後藤久美子さんがマドンナ役としてゲスト出演し、TORAの甘く切ない恋心をユニークな視点から描いています。
想起者の属性を見ると、男性36%・女性64%で女性の割合が高く、特に40代以降の年代から支持を集めています。「最近はシリーズもののCMが増えている。その中でもこれが一番いい雰囲気を醸している」(男性20代)、「本当の映画のワンシーンのように良くできていて見ていて気持ちが良い。今回は少年の爆笑がなくてさらに良かった」(女性40代)といった声が寄せられています。
"フランスの国民的炭酸飲料"をうたう商品を、日本の国民的映画『男はつらいよ』の世界観をモチーフに表現するという、斬新なコラボを実現した同CM。第1弾の放映開始から1年が経過した今、人気・知名度が定着しつつある同CMの今後の展開に注目です。
(分析:CDS大椋美保)
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