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小売店頭トレンド予報

「秋の行楽シーズン」トレンドはこうなるでしょう!

北村森(商品ジャーナリスト)

今回のテーマ:「秋の行楽シーズン」

日々変わっていく、店頭の売れ筋商品やトレンド。そんな中、店頭を取り巻く環境の機微からヒット予測ができれば、広告プロモーションのアイデアや手法も広がります。トレンドに敏感、かつ裏付けのとれた予測に定評のある商品ジャーナリスト・北村森さんが、3カ月先の店頭をテーマに基づき予報します。

豪華な旅に合うファッション提案にも好機が到来

旅行

今年のゴールデンウイーク、JTBによると、国内旅行者数は2223万人(推計値)にのぼったといいます。これは2000年以来、最高の記録です。曜日並びのほか、景況感、そしてトピック(石垣空港の開業など)が目白押しだったのも刺激となったよう。この秋も、その意味ではおおいに期待を持てます。9~11月の間に3連休が4度ありますし。

10月、豪華列車「ななつ星in九州」の運行がいよいよ開始。また、今年は10万円程度の手軽なクルーズ船ツアーが登場しており、人気を獲得しています。日本にも、ドレスコードの概念を より浸透させる好機です。旅の服に無頓着だった層(まあ、男性でしょうね)に狙いを定めるのが特に効果的と思われます。決め文句は「週末着にもいいですよ」でしょうか。

オープンカーなど秋ならではのラインアップが吉

クルマ

10年来の流れと言えるでしょうか。各業界とも「売れる時期」が分散する傾向があります。たとえばクルマ。以前なら、ボーナス期や年度末が大商戦期でしたが、今では平準化に向かいつつあるとのこと。逆に言えば、毎月が勝負となるわけです。

自動車業界の関係者によると、同じ行楽シーズン需要でも、春と秋では様相が異なるといいます。春はワゴンが伸びる(アウトドアに気持ちが向かう夏に向けて、ということでしょう)、 秋ならドライブが楽しいモデル(オープンカーは秋冬こそ旬ですからね)。

この倣いでいくと、どの業界でも、秋なりの売り場構成を、今一度じっくり見直すことが大切かもしれません。家電量販店など、まさにこの視点が必要です。

持ち運びに便利なタブレット端末を旅行のお供に

家電

なぜ、とりわけ家電量販店が、秋商戦の工夫を必要とするのか。以前もこのコーナーでお伝えしたように、秋から春に需要期がシフトした商品が散見されるからです(ビデオカメラなど、その代表格ですね)。さらに夏冬のボーナス商戦の狭間で埋没しかねない時期でもある。

この秋、私なら、7インチ台のタブレットを、旅行好きのシニア層を目がけて売り込みます。旅先で電子辞書などを使って名所の情報を調べていたシニアの方、これまで少なくなかった様子。そもそも小型のタブレットは、シニア層に好適な端末としての注目度も上昇中です。「10月に執り行われる伊勢神宮の式年遷宮に、タブレット片手に出かけると重宝しますよ」。たとえば、こういった訴求です。

       
北村 森

北村 森氏(きたむら・もり)

商品ジャーナリスト。『日経トレンディ』編集長、同誌発行人を務めたのち独立。ABC/テレビ朝日系「ヒットの泉」など4本のテレビ・ラジオ番組に出演中。最新刊は『途中下車』(河出書房新社)。

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