広告商品の企画開発にデジタル化への対応…。常に世界の出版界の動きを牽引してきた、米国の雑誌業界の動向を現地からレポートする。
タイム社は今年1月に、同社の出版物を売却する方針を発表。業界2位のメレディス社との間で、売却交渉の話し合いが進められていた。しかし交渉開始から数週間経った現在、実りある方向に話し合いは向かっていない模様だ。
この交渉が成立すれば、タイム社の親会社であるタイム・ワーナー社は赤字雑誌の大半を売却でき、一方のメレディス社は安定した業績を上げている出版物に17誌のラインナップを加えることになるはずだった。
しかし当然ながら、これほど多くの雑誌が加われば、内容が似通ったものがでてくる。そもそもメレディス社にとっては、買収にさほどメリットがないことは明らかだった。結果、交渉はまとまらず、全ては元の状態に戻ってしまった。
それでもタイム・ワーナー社は、今年中に雑誌部門を分離独立させ、株式公開する予定だ。5年もの間、赤字に苦しみ、大幅な人員削減を行ってきたタイム社は厳しい改革を迫られることになる。同社の雑誌の多くは、廃刊になったり、デジタル版のみでの発行となるだろう。
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