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ニュースから見る広告の近未来

FBがNews Feedで広告ターゲティング開始

織田浩一

100万人以上がTVの有料視聴を解約

トロントにあるConvergence Consulting Groupの調査によれば、2012年にNetflixをはじめとするオンラインビデオサービスを選択した米国のTV有料視聴解約者数は約108万人に達し、この数字から有料TV視聴者全体の1.1%が解約をしたと推計されるという。2008年からの解約者数の累計は374万人で、今年は通算470万人に到達する予測だ。

Convergence Consultingの会長は、「TVの有料視聴登録をしたことのない若年層が有料視聴者数の増加を鈍化させている。またケーブル、衛星、携帯ビデオサービス加入者が昨年度の3万1000人から、今年は9万8000人に増加すると予測されているが、有料TVが業界の主流であることは今後もしばらくは変わらない」としている。また、オンラインで無料TV番組を視聴した視聴者の割合は18%と、2011年の19%から減少している。

■ソース:「アドエイジ」4月3日 More than 1 Million People Cut Pay-TV Cords Last Year

英の新聞社サイト2社が有料化へ

英国のSunとDaily Telegraphの電子版有料化が始まった。Sunを発行するNews Internationalはサッカープレミアムリーグからハイライト映像をWEBやモバイルで配信する権利を3000万ドルで獲得しており、Sun紙購読者にとって有料購読の刺激になると予測される。同社発行のTimes紙は3年前から電子版の有料化が始まっているが、日刊電子版購読者は13万9098人(紙版は39万3314人)、日曜電子版購読者は12万5087人(紙版は87万5434人)である。

Telegraphは有料化後も月に記事20本までは無料で購読可能だが、オンラインとスマートフォンアプリは年額30ドルを課金する。

また有料化前に1カ月の無料購読期間を設ける。国際サイトでは昨年11月から従量制課金を開始したが、無料購読を経た読者の90%が有料購読契約をしているという。

■ソース:「アドエイジ」3月27日 Two More Big U.K Papers Go Behind Paywalls

FBがNewsFeedで広告ターゲティング開始

フェイスブックは、News Feed上にターゲティング広告ユニットを設けると発表した。これは、フェイスブックのエクスチェンジパートナーのうち、Tell Apart、MediaMath、Nanigansのデマンドサイドプラットフォームを通じて購入が可能で、当初はデスクトップ版の掲載に限られる。

フェイスブックは昨年9月にアドエクスチェンジFBXを立ち上げており、今年1月時点で同社COOは、1日に1300社の広告主の10億件のインプレッションを扱っていると発表している。リターゲティング企業のAdRollによれば、FBXのCPMはウェブリターゲティングの平均より82%低い。より可視性の高いNews Feedへの広告掲載は理論上、FBXの入札競争力を高め入札額を上げる手段になるだろう。また行動履歴利用広告の自主規制プログラムに準拠しAdChoiceアイコンを表示する。

■ソース:「アドエイジ」3月26日 Facebook Cranks Up Ad Targeting in User News Feeds

ブランドにも実用機能が求められる

技術革新により消費者はブランドに実用機能をさらに期待するようになり、それがマーケティングに次のような再編を迫っている。第1にマーケティングは消費者の感情に呼びかけるのではなく、ブランド価値を日常生活で体験できるメカニズムを提供しなければならない。NikeのFUELは、靴や服を超え、消費者が新しい自分になることを実現するための実用性を提供した画期的な事例と言える。

第2に、マーケティングはブランドへの信頼連鎖ではなく、行動連鎖を引き起こさなければならない。参加やサポート、購買を促して初めて広告に実用性がもたらされる。第3にマーケティングは、行動連鎖を引き起こすため広告を見た後の消費者行動の理解に重点を置かなければならない。これら「実用性」の達成に向けメディア、代理店、マーケターが認識を共有することが消費者行動連鎖を引き起こす第一歩となるだろう。

■ソース:「アドエイジ」4月15日 Why Marketers Need to Reorganize Around the Most Powerful Behavior Principle of All: Utility

実用性とスピードが鍵アマゾンでの広告

アマゾンはアドエイジのデジタルカンファレンスで、「消費者はいつでもどこでもどの機器からでも買い物ができ、欲しいと思った瞬間から30秒以内に購買できることを期待している。アマゾンの広告プラットフォームの土台はこれを満たすための実用性とスピードである」と説明した。

アマゾンの広告は、評価やレビュー、クーポンやワンクリックで購買できる機能を備え、消費者の行動率は通常のEコマースサイト広告よりも20~30%高く、マルチスクリーンキャンペーンのパフォーマンスは単一スクリーンのものよりも18%高いという。

またHaggiesのアマゾンキャンペーンでは、ブランドへの信頼度が14%、高品質の認識が11%向上しており、420万ドルのオフラインセールスにつながったと説明。また顧客の行動率の高さが、自動車や旅行などアマゾンで販売しているわけではない商品の興味も引き起こしているとも指摘した。

■ソース:「アドエイジ」4月16日 Amazon'sAd Platform Being Shaped by Utility and Speed

ツイッターがViacomらと広告配信で提携か

ツイッターの関係者によれば、同社はViacomおよびNBCと、ビデオコンテンツ配信とそれによる広告収入配分に係る提携を進めており、既存パートナーであるESPN、Weather Channel、Turner Broadcastingに加え、5月中旬までには他局とも同様の提携合意がされる可能性がある。

ツイッターはニールセンとTV番組が生成するソーシャルコメント測定に関して提携をしているが、昨年6月の調査によれば、アクティブユーザーの3分の1が、視聴したテレビ番組についてツイートしていることが分かった(半年前は26%)。 また今年2月に同社は、ソーシャルテレビ効果の測定を行うBluefin Labsを買収している。

NBCと提携した2012年夏季オリンピックのプロモーションでは、16日間で1.5億件のポストを生成したと発表しており、テレビ局との提携と同時に音楽配信機能拡大の準備も進めているという話だ。

■ソース:「アドエイジ」4月16日 Twitter Said to Seek Deals With Viacom,NBC to Feature TV

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