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変革する広告業

購買行動全般に関わる提案で「新たなビジネス領域を創出」

アサツー ディ・ケイ 植野伸一・代表取締役社長

今年3月にアサツーディ・ケイ(ADK)の代表取締役社長に就任した植野伸一氏。メディア環境が変わり、消費者の情報収集・購買行動が変化する中で広告以外の消費者を動かすソリューションが求められているとの考えから「コンシューマー・アクティベーション・ビジネス」のコンセプトのもと、従来のコミュニケーション領域に留まらず、消費者の購買行動全般に関わる提案に力を入れていく方針を掲げる。

─日本の広告市場をどう見ているか。

現在の6兆円規模から、それほど大きな成長が期待できるマーケットではないとの認識だ。しかし、それはあくまで従来の「広告」市場の話である。消費者の情報収集・購買行動プロセス全般に目を向ければ、従来の広告以外にも当社が支援できる領域はあると考えているし、そういう意味ではADKが考えるビジネス領域の市場規模は約15兆円ぐらいになると考えている。今後、この市場に果敢に挑戦していきたい。

─具体的にどのような方針を掲げているか。

現在、社内で掲げているのは「コンシューマー・アクティベーション・ビジネス」というコンセプトだ。今後は従来の広告に限らず広い領域において消費者を動かし、購買に結び付けるためのアイデアや仕掛けの企画・実現に力を入れていく。これまでの広告会社はマーケティング活動の中でも、コミュニケーション領域に特化し、かつリーチやフリークエンシーに基盤を置く、企業や商品の認知向上にその役割を期待されてきた。しかし、そもそもマーケティング活動のゴールは売上拡大であり、認知度は中間的なKPIにすぎない。商品の売上拡大に貢献し、企業の利益拡大に寄与できるような提案をしていこうと考えている。

─この方向性に基づく人材採用・育成の方針は。

「コンシューマー・アクティベーション・ビジネス」は、我々がこれから目指す目標であり、その実現に向けての力をこれから磨いていかなければならないと考えている。WPPグループに属す利点を活かし、そのリソースも使いながら人材開発に力を入れていく。

また消費者の購買行動全般に関わる提案をする上では、クライアント企業のビジネスに対する理解が不可欠だ。当社では今年初めから金融や情報通信など産業別に9つの重点カテゴリーにおいて、その業界ならではの知見を集約するカテゴリーチーム制度を導入している。このチームのリーダーは営業の現場においても自らビジネスを創りながら、その専門領域の知見を深め、活用していくことを目指している。

注力領域はデジタル、グローバル、そしてコンテンツだ。特に当社はアニメコンテンツに強みがあり、かつ今年日本でテレビアニメがスタートして50周年の節目を迎えることもあり、クライアントの課題解決に貢献できるアニメを使ったソリューションのほか、独自のビジネス開発にも取り組んでいくつもりだ。

植野伸一氏 (うえの・しんいち)

同志社大学商学部卒業後、1976年旭通信社(現・ADK)に入社。第5営業局長、執行役員関西支社長、同コーポレート本部長などを経て2008年から取締役執行役員、12年に 取締役常務執行役員、13年3月から現職。

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