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メディア化する企業とコンテンツ戦略

広告と合わせて使って相乗効果 大手企業の戦略と実務

電通 iPR局iクリエーティブ部長 石田 茂

企業のコミュニケーション戦略において重要度を増すオウンドメディアとアーンドメディア。従来のペイドメディアとこれらを掛け合わせて「情報発信基地」化し、ニュースデスクとしての役割を担うことが、戦略的情報発信のために、今、企業に求められている。そこでは、スピーディーかつフレキシブルにコンテンツを作り続ける仕組みがカギになる。

IMCはトリプルメディアを融合させた次世代デザインへ

コミュニケーション手段の多様化が喧伝される中にあっても、それらが「施策」という枠で捉えられる時には、依然として広告・広報・SPという形を取ることが多い。

すなわち、メディアの枠を購入し「広告出稿」を行う方法、メディアにアプローチし、コネクションを作り、リリースを出すといった「広報活動」、あるいは直接店頭などで商品の訴求を行う「販売促進」などである。この考え方自体は、―特に国内においては―これからも主要な手法として存在し続けていくだろう。

しかしご存じのように、一方で世の中のメディア環境は激変を続けている。マスメディアの他に自社サイト、ソーシャルメディアなど多様な情報発信の形態が出現してくる中、世界ではあらゆるメディアの機能を今一度違う視点から見直し、再整理・再統合を試みながら改めて戦略的に活用していこうという動きが目立っている。

それが、ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアを統合した、いわゆる「トリプルメディア戦略」の背景である。

世界で進む「非広告」へのシフト その鍵はオウンド × アーンド

トリプルメディアのうち、ペイドメディアは「広告領域」、オウンドメディアとアーンドメディアでのコミュニケーションは「非広告領域」と呼ばれることがある。日本国内ではまだまだテレビ・新聞が広告メディアとして大きく機能しているが、グローバルな視点で見ればその状況はやや特殊とも言える。いま「非広告領域」を重視し、投資する企業は世界的に増えており、この流れは間違いなく日本にも訪れるはずだ。特にグローバル展開を志向する企業においては、そのダイレクトな情報発信をどう活用するかが重要な課題となっていく。

さて、世界におけるオウンドメディア&アーンドメディアは、このところさらに大きく進化・拡張を続けている。オウンドメディアはこれまで主に企業・製品情報をサーチする際の受け皿として機能してきたが、現在では動画などエンタテインメント系コンテンツが増え、より発信型メディアとしての姿を強めている。また決裁機能を備えたECサイト、つまり販売プラットフォームに進化しているケースもある。

そもそも企業にとっては製品も、人も、店頭もすべてがメディアである。そのような広い視点に立ちながら、もう一度オウンドメディアの役割を検証する必要性が高まるだろう。

一方でアーンドメディア活用は、今まで評判形成に機能していたメディア、すなわちテレビ番組や新聞記事などオフラインメディアへの露出を狙うPR活動が主だった。それが今、アーンドメディアはオンラインへと拡張。ニュースポータルなどのWEB系マス媒体への露出を目指したり、SNS上でいかに個人の話題にさせることができるかを目指すなど、発信してもらう対象が「メディアとしての機能を持つ個人」レベルにまで拡がっている。

情報発信基地=企業の「メディア化」その実現に向けて

このようなメディア環境の中、戦略的情報発信においてキーとなるのは、

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