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新インターナルブランディング

節目にあらためて社内の一体感を醸成する 周年イヤーのインターナルブランディング事例

企業が歩んできた歴史を振り返り、これからの方針をあらためて示すタイミングにもなる周年イヤーは、社内に一体感をつくり、従業員のモチベーションアップにつながる好機。周年時に社内施策に取り組んだ6つの事例を紹介する。

1922年創業

1922年に旭絹織を設立しレーヨン製造を開始。その後アンモニアや硝酸などの化成品やベンベルグを製造・販売。以降、積極的に事業ポートフォリオを転換し、住宅から日用品、PC・スマートフォンの電子部品、医薬品やAEDまで、幅広い事業を展開。子会社数は328社、従業員数は4万8897人(2023年3月末時点)。

社内イベントは36カ国から1万超が視聴
周年を従業員の意識変容の機会に

2022年5月、旭化成が創業100周年を迎えた。周年事業は対外的なPRではなく経営課題解決に向けた社内の意識変容の機会ととらえていたという。

まずは20年ぶりに社史を編纂。担当した広報部(当時は総務部社史編纂室)の菅田顕氏は、「当社は繊維に始まり総合化学、住宅、医薬と事業のポートフォリオを転換しながら成長してきました。新たな転換を見据えるタイミングだからこそ、この歴史を記すことを大切にしました」と話す。

さらに、国内外の従業員から後世に残したいエポックメイキングなエピソードを募集。その内の100本を「100Stories」として5カ国語に翻訳し、社員向けの周年サイトで公開した。

100周年当日には、“未来志向”を体現するインターナルイベント「IMAGINATION SHAPES THE FUTURE」をオンラインで開催。「100 Stories」から6本をショートアニメ化したほか、ノーベル化学賞を受賞した同社名誉フェローの吉野彰氏がイノベーションを紐解く「AK Talk」など、10のコンテンツを3言語で配信した。

社史(画像左)に加え、同社のDNAを今に伝える従業員向け冊子(画像右)も制作した。

国内外のグループ従業員を対象に開催した2時間半のインターナルイベントは、ライブ配信とアーカイブ配信を用意。

「世界36カ国から1万を超える従業員のアクセスがあり、アンケートで取得した総合的な高評価率は95%を達成。独自の視点で活動される方々にご登場いただき、社内に新たな風を吹かせることができたのではないかと思います」と広報部ブランドコミュニケーション室の岩附美緒氏は語った。

『広報会議』2023年9月号に掲載の内容を再編集




1923年創業

創業者の荻原廣氏が、関東大震災の余燼(よじん)の中、前身となる東洋新薬社を設立。医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開。創業100周年を迎えた2023年度にグループ体制を刷新し、商号をキョーリン製薬ホールディングスから変更。従業員数は2138人(2023年3月末時点)。

新聞広告に社長と社員が登場
歩数を競う社内ウォーキングイベントも

杏林製薬は2023年6月...

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