4月~10月に開催の大阪・関西万博。世界の革新的なアイデアが集結する場は、広報担当者にとっても新たな発想を得る機会となる。万博に出展・協賛する企業は、どのようなコミュニケーション活動に挑戦しようとしているのか。
民間パビリオン
NTT
20年、30年後のコミュニケーション示す
「3D空間の伝送」を体感
大阪・関西万博は、1970年大阪万博と比較した報道も目立つが、当時、話題となった展示の一つが、NTTの前身、日本電信電話公社が電気通信館で展示した“夢の電話”ワイヤレステレホンだった。あれから55年。2025年の大阪・関西万博でNTTグループは、社会実装前の技術を集めた「NTTパビリオン」の出展をはじめ、世界中の人が万博を楽しめる「バーチャル万博プラットフォーム」、広大な夢洲会場の回遊をサポートする「パーソナルエージェント」、30年後の未来社会の情報通信基盤となる「IOWN」の提供などを行う。
離れた場所の振動も届く
「ワイヤレステレホンを発表した当時、子どもだった方々が今の社会を支えています。大阪・関西万博においても、未来を担う子どもたちに対し、20年、30年後のコミュニケーションの可能性を示し、未来社会を、希望を持って創造していく一助となりたいと考えています」(NTT 広報 水津次朗氏)。
NTTパビリオンでは、「IOWN」により、離れた場所と空間そのものがつながるような世界を提示する。具体的には70年万博の会場だった万博記念公園にステージを設置し、パフォーマンスを行っている3D空間そのものを、リアルタイムに夢洲のNTTパビリオンに届け、再現することを検討中だ。
「音や映像だけでなく離れた場所の振動なども一緒に届けることで、離れた場所と夢洲のNTTパビリオンの空間が一緒に存在するような、驚きのある体験を提供していきたい」と水津氏。また、パビリオンを覆う幕にもIOWNの技術が使われている。来場者の笑顔などの映像情報をもとに布が揺れ動く仕掛け。万博の中で多様なIOWNのユースケースを見ることができそうだ。...