インドの国際PRイベントから見えてきた最新動向を紐解き、日本の広報担当者が活用できる知見と実践手法を解説します。
連載の2回目はインドのPR市場について報告します。筆者が、インド滞在中に築いたネットワークを通じて、インド国内で唯一の広報・PRを専門とした大学院であるSCoRe(School of Communications & Reputation)の学長、ヘマン・ゴール(Hemant Gaule)氏に取材しました。
インドのPR市場・業界の独自性とは?
インドのPR市場は、3つの異なる現実が共存し、しばしば絡み合って織り上げられたタペストリー(つづれ織りの壁掛け)のようです。
第一に、言語と文化の驚くべき多様性です。22以上の公用語と無数の方言があり、インドの言語環境の多様さは文化遺産とも言えます。このため、インドでは多様な言語・文化集団に響く発信をする必要があるのです。例えば、世界最大の英語人口を抱える一方で、広く読まれている新聞トップ10のほとんどが地方言語によるものという事実は、地域メディアの重要性を示しています。つまり…
あと80%