新聞や雑誌などのメディアに頻出する企業や商品リリースについて、PRコンサルタントの井上岳久が配信元企業に直接取材。背景にある広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを、じっくり分析・解説します。
広告と広報の違いを自覚し
基本をきっちり守ることで
メディアの反響は生み出せる!
広報担当として初めてプレスリリースを書くために当連載を読んでいる方もいるのではないでしょうか。今回は、私がコンサルタントを務めているハタスという企業の第1号リリースを紹介したいと思います。
愛知県刈谷市を拠点に三河地区で賃貸アパートや事業用物件などの建築や管理を展開するハタスは、地方の不動産関連会社ですが、先進的な取り組みをしている有望な企業です。
リリースの内容は、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームの機能を取り入れつつ、通常の賃貸アパートなどと同じ自由度の高い暮らしができる次世代のシニア専門賃貸アパート「ハタスLASHISA」です。
企画が持ち上がったのは2024年1月。三河地区でも高齢者や単身者世帯の増加が進んでいることをきっかけに、企業として社会貢献をしていきたいという思いもありました。建物がバリアフリー構造になっているのをはじめ、住民同士が交流できるコミュニティスペースや、電気の使用データを解析して生活の変化が分かる見守りサービスなども取り入れています。
シニア向け施設は原則60歳以上の入居条件が設けられているところも多いですが、ハタスLASHISAは50歳からとハードルが低く、施設特有の集団生活の規則に沿った暮らし方をしなくてもいいなどの特徴があります。このリリースは土地の利活用を考えていたり、所持するアパートの建て替えを検討していたりする資産家に向けた「ハタスLASHISA」の周知を目的としています。
企業として初めてのリリース
経営管理部マーケティング課で広報を担当する岩田弘明さんは、2023年11月に入社。前職は広告会社で、ハタスとしても本格的に広報を...