洗剤をはじめ日々の生活に欠かせない製品を扱う花王。生活者に向けESGへの取り組み姿勢を伝えるために2022年から実施しているのが「もったいないを、ほっとけない。」のコミュニケーションだ。取り組み後、どのような変化が生まれているのか。
「生活者が主役」。花王が推進するESG戦略のポイントはここにある。どんなに環境負荷の少ない製品づくりを行ったとしても、生活者に使ってもらえなければ脱炭素やゴミゼロといった社会の変化につながらない。だからこそ生活者にとって使いやすく、かつESG視点のよきモノづくりを行っていく。こうした考え方がその根底にはある。
例えば「洗剤の使い過ぎを防ぐためワンプッシュで計量可能な容器を開発する」「廃棄ペットボトルから、アスファルト舗装の耐久性を強化する素材をつくる」など、様々な領域でESG視点のモノづくりにアプローチしている。
生活者向けコミュニケーション
生活者と共にESGを進めるため、花王のPR戦略センターでは、2022年より生活者に向けたESGコミュニケーションを開始した。それが「もったいないを、ほっとけない。」だ。
「花王のESGの取り組みは、ビジネスステークホルダーからは評価をいただいてきましたが、生活者には企業全体の取り組みをご理解いただけていないという課題がありました。ESG視点にもとづいた製品づくりの思いを知ってもらい、実際に製品を使っていただいて、一緒にサステナブルな未来を目指す。それが、この企業コミュニケーションで目指していることです。暮らしの中の小さな“もったいない”に気づいてほしい。そして“ほっとけない”というアクションを起こしてほしいと考えています」と同センター・事業PR戦略部の畑中彩氏は話す。
ESG視点の取り組みを知ってもらうためのコミュニケーションの設計にあたり重視したのは、モノづくりへの想いを声高にアピールするのではなく、生活者に寄り添い「隣人と話すような」視点を持つことだった。