「対応体制にどのような欠陥があったとお考えですか?」筆者がChatGPTを使って記者会見の机上演習を実行したところ、こんな質問が出てきたという。生成AIによって、どんな模擬会見が可能なのか。その方法を紹介する。
ChatGPTなどの生成AI(人工知能)が登場し、文書作成などの事務作業が劇的に効率化した。情報漏洩の懸念がないクローズドなシステムが普及すれば、利用範囲も急速に拡大していくだろう。例えば、災害対応などをシミュレーションする机上演習もその一つだ。今回は、生成AIを利用して記者会見を擬似体験する方法について紹介したい。
判断力を磨ける机上演習
机上演習はウォー・ゲームとも呼ばれ、文字通り軍隊が作戦の有効性や改善点を探る手段として発展した。最近は国際情勢の緊張に伴い、国内外のシンクタンクがロシアによるウクライナ侵攻や台湾有事に関するシミュレーションを行ったというニュースを目にする機会が増えた。
一方、自治体や民間では、主に災害対応の訓練や検証に活用されている。参加者は事前に設定したシナリオに基づき、消防、警察、ボランティア団体などの役割を演じる。刻々と変化する状況に対応することで、判断力を磨いたり、マニュアルが機能するかどうかを検証したりするわけだ。実戦に近い経験ができるため、...
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