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大学広報ゼミナール

美大の情報発信に迫る 美大のイメージを刷新する昨今の広報事例を紹介

手羽イチロウ(武蔵野美術大学)

美大愛好家の手羽イチロウと申します。ふざけたペンネームですが、一応武蔵野美術大学(以下、ムサビ)の職員でして、広報担当課長だったりします。

東京藝大は4浪5浪当たり前?

前回も書いたように、美大はニーズが少ないので正しい美大の情報が浸透されにくい状況があります。この典型例は東京藝術大学かもしれません。

以前、あるテレビ番組から美大や東京藝術大学のことを美大愛好家として教えてほしいと頼まれ、「メディアでは東京藝術大学は4浪5浪当たり前とよく語られているが、現状は違う」と伝えたことがありました。「東京藝術大学大学案内2023」によると、美術学部入学者230名のうち、7割以上が現役から2浪で、一番多いゾーンは1浪なんですね(図)。また手羽調べだと、東京藝術大学美術学部志願者数は20年前と比較して約4割になっています。「4割減」ではなく「4割になった」です。

東京藝術大学は油画科をはじめ、今も楽に入れるわけではない大学なのは事実ですが、「倍率50倍」「4浪5浪当たり前」は大昔の話です。しかし、正しい情報がほとんど転がっていないから、メディアではいまだに「4浪5浪当たり前」「変人ばかり」と扱われてしまいます。ちなみにその時のテレビ番組の放送では、...

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シャドーワークから得た学び「美大愛好家」の活動が周囲に共感を発生させる
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