日々進化を遂げる生成AIによりフェイク情報への懸念がますます高まっている。万一、SNSで自社について間違った情報が拡散された場合、広報にはどのような対応が求められるのか。東洋大学教授でソーシャルメディア上のコミュニケーションを研究する小笠原盛浩氏に聞いた。
フェイク情報の脅威が日本でも高まってきている。2024年1月に発生した能登半島地震の際は、X(旧Twitter)上で多数のフェイク動画や画像が投稿されたことで、大きな混乱をもたらした。
ソーシャルメディアをはじめとするインターネット・コミュニケーションを研究する東洋大学の小笠原盛浩教授によると、ネット上の間違った情報とは、必ずしも「誰かを騙そう」という意思で発信されたものだけではなく、いくつかの種類に分けられる。そのため、現在、ネット上の間違った情報を表す言葉として、以下の3つの言葉がよく使われているという。
①「偽情報」(ディスインフォメーション)
② 誤情報(ミスインフォメーション)
③ 悪意のある情報(マルインフォメーション)
「『偽情報』は、意図的に騙そうとして発信される間違った情報です。それに対して『誤情報』には騙そうとする意図はなく、思い込みやミスなどで間違った情報が発信されるケースです。最後の『悪意のある情報』は、情報自体は間違ってはいないものの、文脈を無視して意図的に誤解を招こうとして使われるものです」と小笠原氏は説明する。
SNSやAIの台頭が被害を助長
こうした偽情報・誤情報は近年になって突然見られるように…
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