ブランディングや採用など、企業がSNSを活用する目的は広がっている。SNSを通して特に若年層とのつながりを強化したいと考える企業も少なくないだろう。現在の若年層がSNSに何を求め、どのように活用しているのか解説する。
SNSが登場し企業広報に活用され始めた当初は、キャンペーン告知や商品販促を中心に活用されていた印象ですが、ここ数年で、企業ブランディングや採用活動、CRMなど、企業広報におけるSNS活用領域は拡張されてきています。そのような変化が起こっている背景には、企業からの情報の受け取り手である若者内でのSNSの浸透と使い方の変化、新しいSNSの登場、そして何より若者の価値観の変化があります。
企業の広報活動におけるSNS活用をより効果的にするためには、若者のSNSの利用実態と価値観を把握することが不可欠だと考えます。
情報は「取捨選択するもの」に
スマホの登場によって、世の中に存在する情報量は急増し、今の若者はすでに情報爆発後の「時間をいくら費やしても処理不可能な情報量に囲まれた状態」から人生をスタートしています。そして、このことは若者にとって自明のことであり、だからこそ闇雲に「何か面白い情報はないか」と情報を探しに行くのではなく、まずは流れてくる情報から「自分にとって価値のある情報はどれか」を取捨選択するというスタンスに変わってきています。
普段、企業やブランド、商品/サービスについての情報を得ているメディアは何なのか、大学生100名に質問をしたところ、「SNS」62%、「ウェブ動画サービス」50%、「友人や知人との会話」48%がTOP3に。次いで「テレビ」が45%、他「交通広告」が19%、「雑誌」が10%という結果になりました。このことからも、番組を見に行く/リビングに見に行く必要がある「テレビ」や、記事を読みに行く/書店に行く必要がある「雑誌」といった、時間や場所が制限され自ら主体性を持って情報を取りにいくメディアより、「SNS」や「ウェブ動画サービス」、「友人や知人との会話」といった、タイムラインや会話の中で流れてきた情報を取捨選択することを前提にしたメディアがよく使われていることが分かります。
また、調査からは自身が有意義だと感じられる時間をより多く過ごすために、有意義な時間を過ごすまでの手間を最小限に抑え、流れてくる情報を取捨選択すること自体も効率化する傾向が見られます。
若者流効率的SNS情報獲得術
ではSNS上ではどのように情報の取捨選択がされているのでしょうか。…