美大愛好家の手羽イチロウと申します。ふざけたペンネームですが、一応武蔵野美術大学(以下、ムサビ)の職員でして、広報担当課長だったりします。前回丸々使って「美大と呼ぶ定義」を書けたので、以降は「美術系学部のある大学=美術(系)大学といえそうな大学」を「美術大学(美大)」と表現させてもらいます。
調査対象外になりがちな美術系
前回、「美大は40校弱と推測される」とだけ書きましたが、文部科学省の「学校基本調査(令和5年度)」によると、大学数は810校なので美大は約5%弱の割合になります。また、日本私立学校振興・共済事業団「令和5(2023)年度 私立大学・短期大学等 入学志願動向」を見ると、全体志願者数371万3827人のうち美術系学部志願者数は5万6410人で、実に1.5%。1学年300人の高校だと4~5人美大受験生がいる計算になり、この割合は昔からほとんど変わっていません。
図 私立大学の美術系学部数(2023年度)

出所/日本私立学校振興・共済事業団「令和5(2023)年度 私立大学・短期大学等 入学志願動向」をもとに筆者作成
これを意外と多いと考えるか、少ないと捉えるかは人それぞれですが、「企業がデータ分析してもお金にならない数」...
あと80%