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社内コミュニケーション 多様性ある組織で一体感を高める方法

なぜ今、社内コミュニケーションが重要か「理念浸透」が多様性ある組織に一本軸を通す

深澤了(むすび代表取締役)

「社内コミュニケーション」の重要性が高まっていると言われる昨今。背景にあるのは、企業が持続的に成長する勝ち筋となる「理念の浸透」だ。従業員の当事者意識を高める、社内コミュニケ―ションを実現するコツを聞いた。

    Q1

    社内コミュニケーションの重要性が高まっているのはなぜですか。

企業の持続的な成長には、「理念」に共感した人が集うコミュニティのような組織づくりが欠かせないため

昨今、パーパスや行動指針などの「理念体系」を打ち出し、重視する価値観や方針を従業員に浸透させる活動に注力する企業の動きが目立っています。「自社の存在意義」を明確にして求心力を高めることが、企業の持続的な成長につながると考えられているからです。いわゆるインターナルブランディングと呼ばれる戦略ですが、その打ち手としての社内コミュニケーションが活発になっています。

「理念」を中心に集う組織

ではなぜ、自社の求心力を高めることが、企業の持続的な成長につながるのでしょうか。背景にあるのは、「働き方の多様化」です。終身雇用制度の衰退に伴い人材が流動しやすくなり、フリーランス人口も増えています。少子高齢化による人手不足などを受け、さらなる人材難が想定でき、働く人の側が「どの企業で仕事をするか(どの会社と仕事をするのか)」と “選ぶ意識” が強くなっているのも事実です。「企業理念」により「何のための働くのか」を明確化した上で共感者を集ってコミュニティ化できるようなコミュニケーションを行っていくことは、企業が持続的に成長していく勝ち筋と言えるのです。

さらに言えば、従業員のみを対象にするのではなく、未来の従業員となる求職者や、共創相手となるフリーランスなどに対しても、「企業理念」や「自社の存在意義」を軸にコミュニティ化していくコミュニケーションが今後求められていくでしょう。

永続的成長への再現性を高める

社内コミュニケーションは、この企業の「理念」を持続的に伝えていく観点で重要性が高まっています。もちろん、ミクロ視点における企業の課題は、「従業員のモチベーションが低く業務の効率が悪い」「離職する従業員が多い」「コミュニケーションが少なく意見を言いづらい雰囲気がある」など様々でしょう。このため個々の課題に対して1on1や研修などを実施するといった打ち手を講じている企業も見られます。しかしそうした企業が見落としがちなのは...

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